日本 全東信破産で未払い53億円 決済代行の規制空白と加盟店リスク

2026/07/15
更新: 2026/07/15

全東信が破産し、加盟店への未払いは約53億円に上る。制度上、決済代行業者への監督が不十分な点が浮き彫りとなり、政府は相談窓口や資金繰り支援を開始。規制強化の是非も議論されている。

クレジットカード決済代行を手がける全東信株式会社が破産手続開始決定を受けたことを受け、経済産業省は7月10日、政府系金融機関など全国378カ所に特別相談窓口を設置した。13日時点で82件の相談が寄せられている。赤澤亮正経済産業相が14日の記者会見で明らかにした。加盟店への未払金は約53億円に上るとしている。

今回の事案では、制度上の課題が指摘されている。割賦販売法では、消費者に与信を行うクレジットカード会社に対し、財務基盤などを要件とする登録制度が設けられている。一方で、決済代行業者は消費者への与信を行わない場合が多く、同法の直接的な規制対象とはなっていない。

決済代行の監督ギャップとリスク構造

また、金融商品取引法など金融庁所管の法令に基づく登録の有無についても、個別の事業者ごとに異なるとされる。このため、加盟店の売上金を一時的に預かる形態の事業であっても、財務面に関する監督の枠組みが十分でないケースがあるとみられている。

赤澤経済産業相は、関係省庁と連携し、決済代行業者の実態把握に向けた調査を検討していると述べた。一方で、規制の強化については、加盟店手数料の上昇や支払いまでの期間の長期化につながるおそれがあるとして、影響を踏まえながら検討する考えを示した。

中小企業への対応としては、日本政策金融公庫によるセーフティネット貸付について、「売上高が5%以上減少していること」とする要件を緩和した。また、信用保証協会によるセーフティネット保証1号について、別枠での100%保証に向けた指定手続きに着手し、7月10日から事前相談の受け付けを開始している。

売上金の入金が滞っている加盟店では、資金繰りへの影響が広がるおそれがある。今後、制度面での対応や支援策の運用が注目される。