対米原油輸入が9倍に 6月貿易統計 米国向け黒字は49%減

2026/07/23
更新: 2026/07/23

財務省が7月22日に発表した6月分の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は4069億円の赤字となり、2か月連続の赤字となった。輸入額は11兆3359億円で、比較可能な1979年1月以降の570か月で過去最高を更新した。

輸出額は10兆9290億円で前年同月比19.3%増と、10か月連続で増加した。輸入額は同25.4%増で5か月連続の増加となり、輸入の伸びが輸出を6.1ポイント上回ったことが収支悪化につながった。輸出額も過去2番目の高水準で、6月としては過去最高だった。

一方、実際の取引量を示す数量指数は、輸出が106.7で前年同月比0.2%増、輸入が101.7で同1.1%増にとどまった。金額が2割前後伸びたのに対し、数量はほぼ横ばいである。金額の増加の大半が価格と為替の変動によるものであることを示している。

金額と数量から単価の変動を逆算すると、輸出単価は約19%、輸入単価は約24%の上昇となる(本紙試算)。輸入単価の伸びが輸出単価を約5ポイント上回っており、交易条件は悪化した。

6月の税関長公示レートの平均は1ドル=159円69銭で、前年同月の144円04銭から10.9%の円安となった。円安は輸出入双方の円建て金額を押し上げる。

季節調整値でみると、輸出額は10兆5534億円で前月比0.5%増、輸入額は11兆4354億円で同6.6%増だった。差し引きは8820億円の赤字となり、赤字幅は前月から約4倍に拡大した。原数値の赤字額を大きく上回っており、季節要因を除いた基調はより弱い。

品目別では、輸出は自動車と半導体等電子部品などが増加した。輸入は原粗油と半導体等電子部品などが伸びた。

地域別では、米国向け輸出が1兆9282億円で13.0%増と4か月連続で増加している。一方、米国からの輸入は1兆5885億円で52.7%増と11か月連続で増加し、貿易黒字は3397億円と49.0%減少した。黒字の縮小は7か月連続となる。

米国からの輸入では原粗油が907.4%増と急増し、寄与度は29.1ポイントに達した。計算上、米国からの輸入の伸び52.7%のうち、半分以上をこの1品目で占めていることになり、原油の調達先が米国に大きくシフトしていることを示している。

中国向け輸出は1兆8248億円で17.6%増、中国からの輸入は2兆6450億円で27.9%増となり、貿易赤字は8202億円と58.8%拡大した。対中赤字は63か月連続となる。中国からの輸入額は輸出額の約1.45倍あり、双方が同じ率で伸びても赤字が自動的に拡大する構造にある。

欧州連合(EU)向けは、輸出が9910億円で20.3%増、輸入が1兆1489億円で1.6%増となり、赤字は1579億円と48.5%縮小した。アジア向けは輸出が6兆500億円で22.7%増、輸入が5兆8060億円で29.4%増となり、黒字は2440億円と45.3%減少した。

2026年度第1四半期(4〜6月)を合計すると、輸出は30兆9345億円、輸入は31兆4509億円で、差し引き5164億円の赤字となる(本紙試算)。4月は黒字だったが、5月、6月と2か月連続で赤字を計上した。

円安は一般に輸出数量を押し上げるとされるが、6月の輸出数量指数の伸びは0.2%にとどまった。海外生産比率の高まりなどを背景に、為替の減価が輸出数量の拡大に結びつきにくい構造が続いている。他方、輸入額は円安の分だけ膨らむため、円安は貿易収支に対して赤字方向に作用しやすい。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます