上院商務委 中国関連コネクテッドカー規制強化法案を採決へ

2026/07/10
更新: 2026/07/10

ポールスターは、2027年モデル以降の米国向け全モデルが既存のコネクテッドカー規則の影響を受けると述べた。

 

米上院商務委員会は7月15日、中国と関連するコネクテッドカー(通信接続機能を持つ自動車)、ソフトウェア、ハードウェアの米国市場への流入に対する規制を強化する超党派法案を採決する見通しである。

同委員会の議事日程には、全体委員会のエグゼクティブ・セッション(採決会合)で審議される法案の一つとして、S4429「2026年コネクテッドビークル安全保障法」が記載されている。同法案は、バーニー・モレノ上院議員(共和党、オハイオ州)とエリッサ・スロトキン上院議員(民主党、ミシガン州)が提出した。

この法案は、中国またはロシアと関連する特定のコネクテッドカーおよび関連するハードウェアまたはソフトウェアを規制する既存の商務省規則の一部を法制化し、拡大するものである。米商務省産業安全保障局(BIS)は2025年1月に同規則を公布し、規則は2025年3月17日に発効した。

コネクテッドカーは外部ネットワークと通信することができ、ソフトウェア、センサー、車両接続システム、自動運転システムに依存している。米政府当局者は、こうしたシステムは、中国共産党(中共)政府またはモロシア政府の管轄下にある企業によって管理されている場合、機微なデータを収集したり、遠隔からアクセスされたりする可能性があると述べている。

モレノ議員の事務所によると、モレノ、スロトキン両議員の法案は、中国またはその他の外国の敵対勢力と関連するコネクテッドカー、ソフトウェア、ハードウェアの輸入、製造、販売、再販売を禁止するもので、対象には合弁事業による製品や、これらの支配下にある個人・団体の製品も含まれる。また同法案は、米国の経済安全保障または国家安全保障を脅かす高リスクの車両技術、部品、取引を特定し、阻止する権限を商務省に付与する。

モレノ議員の事務所によると、車両とソフトウェアに関する規制は2027年に、ハードウェアに関する規制は2030年にそれぞれ発効し、既存のBISコネクテッドカー規則と整合させる。

モレノ議員は大紀元に対し、最優先事項は、自身が「不公正な外国の略奪者」と呼ぶ存在から米自動車産業と自動車労働者を守ることだと語った。

モレノ議員は声明で「中国製の自動車は米国市場にとってがんとなるだろう。中国共産党の補助を受けたこれらの略奪者は、西側諸国の政府が反撃できないほど弱腰である間に、世界市場を急速に支配しつつある」と述べた。

既存規則、すでに中国とロシアを標的に

バイデン前政権期に策定された規則は、中国(香港およびマカオを含む)またはロシアが所有し、支配し、あるいはその管轄権または指示に服する者が設計、開発、製造、供給した車両接続システム(VCS)のハードウェアおよび対象ソフトウェアに関わる特定の取引を、すでに禁止している。

米商務省産業安全保障局(BIS)によると、同規則はソフトウェア関連の規制については2027年モデルの車両に、ハードウェア関連の規制については2030年モデルの車両に適用され、モデルイヤーが設定されていない部品については2029年1月1日が適用日となる。

同局は、中国およびロシアの企業は、米国内で走行するコネクテッドカーのデータ共有や遠隔アクセスの許可を強制される可能性があると述べた。

最終規則は、中国外で組み立てられた車両の一部にも及ぶ。対象となるソフトウェアまたはハードウェアが中国と関連する個人・団体によって供給されている場合である。BISは、中国企業がソフトウェア、ハードウェア、試作、受託組み立て、モジュールを供給したり、第三国を経由して迂回させたりする事例を示した。

BISが示した一例では、中国の合弁事業が試作・試験を行った車両を米企業が輸入または販売する場合、一般許可または個別許可が適用されない限り禁止されるとした。別の例では、中国の自動車受託組立業者が第三国で組み立てた車両を米企業が輸入する場合も、許可が適用されない限り禁止取引に該当するとした。

議員ら、自動車産業とデータのリスクを指摘

スロトキン議員は、中国製自動車は米国の国家安全保障とミシガン州の経済安全保障に対する脅威であるとし、米国民や機微な施設に関する情報を収集しうる「車輪の付いた監視装置一式」だと述べた。

モレノ議員の事務所によると、法案は全米自動車労働組合(UAW)、ゼネラル・モーターズ(GM)、CARコアリション、アメリカン・コンパスの支持を得ている。

UAWのショーン・フェイン会長は、同法案は既存のコネクテッドカー規則を土台とし、これを強化するものだと述べた。GMは、米国の製造業を保護し、米自動車メーカーの国際競争力を強化する政策を支持すると表明した。

これと同一の内容の法案H・R8730が、ジョン・ムーレナー下院議員(共和党、ミシガン州)とデビー・ディンゲル下院議員(民主党、ミシガン州)によって5月に下院に提出されている。

ポールスター、米国での販売停止を表明

ポールスターは、中国の吉利汽車(ジーリー)が過半数を出資するスウェーデンの電気自動車ブランドである。同社は米国で車両を販売してきたほか、生産の一部を中国外に移しており、サウスカロライナ州でのポールスター3の生産や、韓国でのポールスター4の生産計画が含まれる。

ポールスターは大紀元に対し、既存のコネクテッドカー規則に基づく許可申請が承認されていないと明らかにした。

同社のテオ・シェルベリ広報責任者は電子メールで「2027年モデル以降の当社の今後の全モデル」が同規則の影響を受けると述べた。

S4429が成立した場合、既存のBIS規則を超えてポールスターの米国での販売、調達、ソフトウェア、ハードウェア、コンプライアンス計画に影響が及ぶかを問われたシェルベリ氏は「その通りだ。当社は米国での新車販売を停止し、米国での事業規模を大幅に縮小する」と答えた。

シェルベリ氏は、同規則の技術的要件を満たすことは「そもそも問題ではなかった」としつつ、同社が許可を取得できなかったため「米国で新車を販売しないことになる」と述べた。

ポールスターは6月25日の声明で、2027年モデル以降の米国での車両販売について、現行のコネクテッドカー規則に基づく許可をBISが同社に付与しなかったことを受け、欧州への注力を強めていると発表した。

同社は、米国内ではポールスター3およびポールスター4の既存在庫の販売を続け、サービス網を通じた顧客サポートも継続すると述べた。

歴史と国家安全保障の修士号を持つ退役軍人である。エポックタイムズに意見記事を執筆。