トランプ大統領 食料供給強化に向け「環境再生型農業」の大統領令に署名

2026/06/26
更新: 2026/06/26

トランプ米大統領は6月25日、農家を支援し米国の食料供給の安全保障を強化するため、環境再生型農業(リジェネラティブ・アグリカルチャー)の取り組みを推進する大統領令に署名した。

環境再生型農業とは、劣化を招いた土壌を回復させるために設計された総合的な農業アプローチのことである。

トランプ大統領は大統領令の中で、こうした取り組みは「土壌の健康を強化し、投入コストを下げ、化学物質の効率性を高めて全体的な使用量を減らし、農家の収益性を向上させ、収穫量を維持し、市場価値を高め、新たな市場へのアクセスを拡大し、農村経済を強化することができる」と述べた。

この大統領令は、農務省(USDA)、保健福祉省、および環境保護庁(EPA)に対し、食料供給における化学物質の累積的暴露の影響を調査するよう指示している。

また、ブルック・ロリンズ農務長官に対し、「環境再生型農業パイロットプログラム」の適用範囲を拡大し、その成果を利害関係者と共有するとともに、環境再生型の取り組みの導入を目指す農家を支援するための官民パートナーシップを構築するよう命じている。

ホワイトハウスの発表資料(ファクトシート)によると、トランプ大統領はさらに、リー・ゼルディンEPA長官に対し、化学農薬に代わる新しい作物保護技術の登録を優先し、収穫前の乾燥(デシケーション)目的での使用に関するデータを再審査して、それらが安全性やラベル表示の基準を満たしているか確認するよう指示した。

この大統領令は、トランプ大統領がホワイトハウスのローズガーデンで農家を招いた夕食会を開催したのと同じ日に発表された。夕食会の席で大統領は、農家への救済金として110億ドルを盛り込んだ追加予算案を承認するよう議会に求めたことを明らかにした。

トランプ大統領は夕食会で、「米国の作物が最も健康的で、最も豊富で、最も手頃な価格であることを確実にするために必要な資源を農家や牧場主に提供すべく、連邦機関に農業イノベーションの加速を指示する大統領令に署名できたことは光栄である」と語った。「そして、我々は常に農家のために働いている。あなた方にとって、より良く、より簡単になるようにしたいと考えている」

大統領令が出された直後、農務省は「環境再生型原料規則」の最終案を公開した。この規則は、環境再生型農業に取り組む農家が、その作物をバイオ燃料市場へ売り出すことで新たな収入源を確保できるよう設計されたものである。

ロリンズ農務長官は、この規則がトウモロコシや大豆などの生産(環境再生型農業)からバイオ燃料の製造・流通までをつなぐ枠組みになると説明した。これにより、環境に配慮して育てられた作物が、バイオ燃料市場の中で新たな価値を持つ(高く売れる)ようになると述べた。

ロリンズ氏は声明の中で、「義務化するのではなく、市場の機会を創出している。環境再生型の取り組みを導入することを選択した農家には、プレミアム価格を得る新たな機会、投入コストの削減、土壌の健康状態の改善、そして経営の長期的な収益性の強化といった、新たなチャンスがもたらされるだろう」と述べた。

農務省によると、昨年スタートした7億ドル規模の「環境再生型パイロットプログラム」は順調に拡大している。すでに6万7千以上の農場(総面積4,900万エーカー以上)で環境保全の計画が策定された。また、農家への支援を伴う保全契約も1,500件以上完了しており、その契約総額は2億ドル以上に達している。

米国とアジア太平洋地域のニュースを担当するフリーライター。