AIの電力需要に対応 米国 洋上原子炉の配備計画を評価へ

2026/07/24
更新: 2026/07/24

米政府は、人工知能(AI)の発展に伴うデータセンターの拡大と電力需要の急増に対応するため、22日、約32億エーカーに及ぶ連邦水域内で原子力事業を建設する計画を評価すると発表した。これは、国内のエネルギー生産を拡大し、先進的な原子力技術の配備を加速する計画の一環である。

洋上原子力の配備を推進するため、米内務省海洋鉱物管理局(MMA)と米原子力規制委員会(NRC)は22日、双方の協力を強化し、海底に洋上原子炉を配備する可能性を共同で評価することを目的とした協定を締結したと発表した。

この声明が発表される少し前、海洋鉱物管理局は今月初め、米領サモア沿岸の約3300万エーカーの海域を海底採鉱用に貸し出すことを提案した。また、宇宙への打ち上げや大気圏再突入などのインフラに外大陸棚を利用することも検討している。

海洋鉱物管理局は、現在、連邦水域内で承認済み、または計画中の商業用原子力発電所は一つもないものの、今回の協力は、この技術を将来どのように実用化できるかを評価することが目的だと説明した。

トランプ米大統領は、拡大を続けるAIデータセンターと電力需要の急増に対応するため、2050年までに米国の原子力発電能力を4倍に引き上げることを望んでいる。

海洋鉱物管理局のマット・ジャコナ局長代行は「数十年にわたり、潜水式原子炉システムは海軍用途で安全に配備されてきた。これは、同システムが過酷な海洋環境で稼働できる可能性を備えていることを証明している。このため、この技術は将来、米国のエネルギー安全保障を大幅に強化する可能性がある」と述べた。

ロングビーチ港、小型モジュール炉の活用を模索

同日、米運輸省とロングビーチ港は協力覚書に署名し、同港で商用船舶などへの応用を想定した「小型モジュール炉(SMR)」の試験を実施する計画を明らかにした。

ロングビーチ港のノエル・ハセガバ最高経営責任者(CEO)は、ワシントンの運輸省海事局で行われた署名式後、世界のエネルギー市場が極めて不確実な状況にあることを踏まえ、「エネルギー源の多様化を強化することは不可欠となっており、今こそ原子力を模索する適切な時期だ」と述べた。

ハセガバ氏はまた、ロングビーチに本社を置くブルーコア・エナジーが同港と協力し、海事分野におけるSMRの活用を研究開発していると指摘した。

ブルーコア・エナジーの創業者兼CEO、コフィ・アサンテ氏は声明で「われわれのチームは現在、原子力発電所を70年間安全に稼働させてきた原子炉技術を使用し、それを平底のはしけに搭載できるよう小型化している。これにより、浮体式発電所を建設したいと考えている」と述べた。

環境保護と国家安全保障への懸念

しかし、こうした取り組みは環境保護団体の反発を招いている。「生物多様性センター」は、トランプ政権のこの取り組みが米国の海洋生態系に損害を与えると批判し、原子炉をさびた古い石油プラットフォームに設置するのは誤った決定だとの見方を示した。

また、洋上原子力発電所が国家安全保障上の懸念を引き起こすかどうかについて、トランプ政権は直ちに回答せず、原子力発電所が配備される可能性のある具体的な場所についても説明しなかった。

責任編集:李天琦

呉瑞昌