夏本番を迎えた中国で、アイスクリーム市場にも消費者の節約志向が表れ始めている。
高価格帯の商品が苦戦する一方、手頃な価格の商品に人気が集まり、小売店や卸業者からは「夏の書き入れ時なのに利益が出にくい」との声が上がっている。
中国メディアの取材に対し、北京市内の卸業者は、今年は企業からのまとめ買いや一般客の来店が前年より大きく減少したと話す。高級アイスは値下げや「5本買うと1本無料」といった販促を行っているものの、売れ行きは伸び悩んでいる。以前は10~12元で販売されていた商品も、現在は約9元(約210円)まで価格を下げているという。
一方、よく売れているのは「老冰棍」や「小布丁」など昔ながらの低価格商品だ。店主によると、新商品を手に取った客もまず価格を確認し、6元(約140円)を超えると購入を見送るケースが目立つという。
こうした傾向はデータにも表れている。市場調査会社の集計では、ここ2年ほどはアイス全体の販売が伸び悩み、3~6元の手頃な価格帯が販売の半数以上を占める一方、10元を超える高価格帯は低迷が続いている。
価格競争も激しくなっている。アイスの平均価格はこの数年で下がり、低価格商品の販売が増えた一方で、小売店の利益は薄くなった。冷凍ケースは24時間動かし続ける必要があり、電気代だけで1日約150元(約3600円)かかる店もあるため、「売れても利益が残らない」と嘆く店主も少なくない。
業界では天候不順の影響も指摘するが、専門家はそれだけではないとみている。消費者の節約志向が強まったことに加え、現製アイスクリームとの競争も激しくなり、従来の包装アイス市場は厳しい状況に置かれているという。
「食べたいもの」ではなく「買えるもの」を選ぶ。中国のアイスクリーム売り場には、そんな消費者心理の変化がにじんでいる。
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