米イラン交渉の最中 トランプ氏がヒズボラ問題でイランに厳重警告

2026/06/22
更新: 2026/06/22

注目を集める米イラン高官級交渉が21日、スイスで開幕した。トランプ米大統領は同日、レバノンのヒズボラが問題を起こすのをイランが直ちに止めなければ、米国によるさらなる厳しい打撃に直面することになると厳重に警告した。

トランプ氏は21日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」(Truth Social)に投稿し、「イランは、レバノンにいる高額な報酬を受け取っている代理勢力が問題を起こすのを直ちに止めなければならない。そうしなければ、われわれは先週行ったのと同様に、再びイランに対して非常に厳しい打撃を与えることになる。しかも今度はその規模ははるかに大きくなる」と述べた。

米国とイランは17日に覚書(MOU)に署名し、最終合意に向けた交渉のため停戦期限を60日間延長することで合意した。しかし、イスラエルとイランが支援するレバノンのヒズボラとの戦闘により、交渉は複雑化している。イランはヒズボラに対するイスラエルの攻撃を非難し、米イラン間の合意をイスラエルのレバノンでの戦闘停止と関連付けようとしている。一方イスラエルは、ヒズボラが停戦合意に違反し、レバノン南部に展開するイスラエル軍に発砲して複数の兵士が死亡、多数が負傷したと非難している。同時に、ヒズボラ側もイスラエルが停戦合意に違反していると批判している。

イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領は21日、Foxの番組「FOX & Friends First」のインタビューで、イスラエルは依然として外交的手段によるレバノンとの和平実現に前向きだとしながらも、いかなる恒久的合意もイランの影響力を抑え、ヒズボラがもたらす脅威に対処するものでなければならないと警告した。

ヘルツォグ氏は、イランがヒズボラを通じてレバノンで過大な影響力を行使し続けていると指摘「ヒズボラはレバノンを乗っ取った。一体どうやってイスラエルとレバノンの間に和平を実現しようというのか」と述べている。

イスラエル大統領のこの発言は、トランプ政権がイスラエルとレバノンの和平合意の実現に努めている最中に出されたものだ。イスラエルとレバノン両国の当局者は、今週ワシントンで和平協議を再開する見通しとされる。

イスラエル・レバノン関係の改善には楽観的な見方を示す一方で、ヘルツォグ氏はイランの介入が依然として主要な障害であることも強調し、イランがレバノン指導部の安定化やイスラエルとのより緊密な関係構築への取り組みを妨害していると見ている。

ヘルツォグ氏は「イランはそもそもレバノン危機に関与すべきではない」と述べ、国際社会はこの点を明確にしなければならない、すなわちイランがヒズボラを通じて影響力を行使し続けることは許されない、と付け加えた。

衝突が続く中でも、ヘルツォグ氏は同地域の将来の和平展望について楽観的な姿勢を崩していない。

ヘルツォグ氏は、地域の将来的な和平への期待を語り、平和な往来が実現することへの願望を示した。ただし、その実現にはまずヒズボラの脅威への対処が前提になるとし、ヒズボラが停戦合意違反を繰り返し、和平プロセスの実質的進展を妨げていると非難している。その上で、ヘルツォグ氏は恒久的な和平の実現前に、ヒズボラの武装解除、あるいは少なくとも外交努力を妨害する能力を奪う必要があるとの考えを示した。

レバノンのジョセフ・アウン大統領は6月5日、CNNのインタビューで、イランが対米交渉においてレバノン国民の意思に反し、同国を交渉の駆け引きの道具として扱っていると厳しく批判した。

レバノンのヒズボラはイランが支援する代理組織であり、1980年代の結成以来、ヒズボラはイスラエルと幾度も交戦してきた。2月末にイラン戦争が勃発した後、ヒズボラは3月2日に真っ先にイスラエルへ発砲し、イランへの支持を表明した。この行動を受け、イスラエルはヒズボラの脅威を排除する目的でレバノンに対する軍事行動を展開した。これによりレバノンも中東のより広範な紛争に巻き込まれることとなった。

アウン大統領は、ヒズボラを解体しようとするイスラエルの軍事戦略には同調しておらず、イスラエル軍が撤退して初めてレバノン政府がヒズボラ問題を「処理」できると述べ、紛争は交渉によってのみ終結し得るとの立場を示している。

ただし、公の場での批判やヒズボラの能力を象徴的に弱める一部の措置を除き、アウン氏はヒズボラの武装解除に向けた具体的な措置は取っていない。これは、ヒズボラとの直接的な衝突を招き、レバノンを内戦に陥れることへの懸念があるためである。

張婷