2026~27年度の新学期から、米フロリダ州の学校で、共産主義政権がもたらした歴史的被害を学ぶ新たな教育課程を導入する。フロリダ州教育委員会は昨年11月、この授業内容に関する新たな基準を承認した。
フロリダ州教育省によると、新基準は州内の教育関係者と各分野の専門家が共同で策定した。同省は授業の狙いについて、「共産主義という思想が、いかに個人の自由を抑圧し、権力を乱用し、広範な苦難をもたらしてきたのかを、生徒が事実に基づいて深く理解できるようにすることだ」と説明している。
アナスタシオス・カムツァス教育長は昨年11月、「アメリカや世界各地で共産主義思想が再び台頭する中、共産主義体制の失敗と、それが人類にもたらした苦難について学ぶことは、かつてないほど重要になっている」と強調した。
また、新たな教育基準について、「生徒が共産主義支配下で暮らすことの厳しい現実を理解し、アメリカが掲げる自由という価値への認識をさらに深めることにつながる」と述べた。
アメリカ地方メディア「WEAR」が7月29日、新課程の内容についてエスカンビア郡公立学校を取材。同学区は声明で、「これらの学習基準は幼稚園から高校までの社会科カリキュラムに組み込まれており、大部分は高校で設置される2つの選択科目で扱われる」と説明した。
フロリダ州エスカンビア郡教育委員会委員のポール・フェツコ氏は、フロリダ州で共産主義の歴史教育を行うのは今回が初めてではないと指摘。「かつては『アメリカ主義と共産主義の比較』という授業があり、14年前には高校生全員が1学期間の必修科目として履修していた」と語った。
今回導入される新基準では、中学生と高校生を対象に、共産主義体制の歴史を学ぶほか、共産主義政権と貧困、飢餓、政治的弾圧、暴力との関連について理解を深めることが求められる。
フェツコ氏は、この取り組みについて「若者に客観的な事実を提供し、異なる思想の違いと、それが現実社会にもたらす影響を理解させようとするものだ」と評価した。
フロリダ州教育省は、ロン・デサンティス州知事が、州民、特に学生に共産主義の危険性を理解させるとともに、共産主義体制によって命を落とした1億人の犠牲者を追悼する重要性を重視していると説明している。
デサンティス氏は2022年、州下院法案395号に署名し、「共産主義犠牲者記念日」を制定した。同法は、記念日に学校で少なくとも45分間の授業を実施し、共産主義体制の仕組みや、その支配下で犠牲となった人々の苦難について教えることを義務付けている。授業では、貧困や飢餓、強制移住、組織的な致死的暴力、言論・宗教への弾圧などが扱われる。
さらに2024年には、デサンティス知事が州上院法案1264号に署名し、「共産主義犠牲者記念日」における教育内容を拡充。共産主義の歴史と世界的な影響について、より包括的に学ぶ枠組みへと発展させた。
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