高市早苗首相は25日、中東情勢の緊迫化を受けた令和8年度補正予算等に関する記者会見を行い、国民生活と経済活動への影響を抑えるための総合的な支援策を発表した。夏場の電気・ガス料金への支援に加え、3兆円強の補正予算案を編成し、来週にも国会へ提出する方針だ。
政府は、使用量の増加が見込まれる7月から9月にかけ、電気・ガス料金への支援を実施する。家庭向け電気料金については、1キロワットアワー当たり最大4.5円を支援し、標準的な家庭で3か月あたり5千円程度の負担軽減を見込むとしている。
ガソリン等の補助に関する今後の対応については、物価動向や経済に与える影響を注視し、政府として必要な検討を進める考えを示した。
補正予算案には、地域の実情に応じた支援を行う重点支援地方交付金の追加に加え、新たに「中東情勢等対応予備費」を盛り込む。財源には特例公債を充てる一方、前年度の未発行分と調整することで、市中への国債発行総額は増やさず、国債市場への影響を回避する考えである。
エネルギー供給をめぐっては、原油の代替調達が進んでおり、来年春まで安定供給が確保できる見通しを示した。化学製品の原料となるナフサについても、1.8か月分の中間在庫があり、年を越えて供給を継続できるとしている。
一方で、買いだめや売り惜しみ、情報共有不足などによる現場での物資不足に対しては、国主導で「目詰まり」解消に取り組む。取引Gメンや建設Gメンなど約1千人体制で調査を進め、価格転嫁の徹底を図るなど、事業者支援を強化する方針である。
また、中長期的な対策として、2040年度に原子力や再生可能エネルギーなど脱炭素電源の比率を最大7割程度まで高め、エネルギー需給構造の強靱化を進める方針も示した。
国民への節約要請については、現時点で経済活動に影響を与えるような踏み込んだ要請を行う段階ではないとしつつ、例年通り省エネルギーへの協力を呼び掛けた。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。