頼清徳台湾総統 コペンハーゲン・サミットで演説 国際社会に権威主義への共同抵抗を呼びかけ

2026/05/14
更新: 2026/05/14

中華民国の頼清徳総統は「コペンハーゲン民主主義サミット」でビデオ演説を行い、国際社会への参加に向けた台湾の決意を強調し、引き続き国際社会における善意の力であり続けると述べた。

頼総統は12日、デンマークの「民主主義同盟財団(Alliance of Democracies Foundation、AoD)」の招待を受け、録画映像の形で第9回「コペンハーゲン民主主義サミット(Copenhagen Democracy Summit、CDS)」で演説した。

頼清徳総統は挨拶の中で、ラスムセン議長の再度の招待に感謝し、台湾人民を代表して今年のサミットに参加し、自由・人権・民主主義の価値を揺るぎなく支持するすべての友人とともに立つことができる機会を得たと述べた。

頼総統は、現在の世界は民主主義と権威主義がせめぎ合う重大な転換点にあると指摘した。ヨーロッパ、中東からインド太平洋地域に至るまで、権威主義勢力は結集を続け、軍事的恫喝、経済的強制、サイバー攻撃、グレーゾーン活動を通じて、世界の平和・安定と民主主義の発展に対し、より深刻な脅威をもたらしていると述べた。

先月、頼総統はエスワティニ(中国大陸では「スワジランド」と称する)への訪問団を率いる予定だったが、中国共産党による通常航路の遮断という行為に直面した。これにより、国際民主主義社会は、権威主義政権が自らのルールを世界に押しつけようとしており、国際慣行を踏みにじってでも、世界の航空安全と民間航空秩序を政治的圧力の道具として利用しようとしていることを、より明確に認識することとなったと指摘した。

頼総統は「これらの挑戦は繰り返し、権威主義の拡張に直面してはいかなる民主主義国家も無関係ではいられないこと、そして世界の民主主義陣営が一致団結してこそ、自由世界のためにより強固な防衛線を築けることを、私たちに思い起こさせる」と述べた。

また「台湾は第一列島線の要衝に位置し、民主主義防衛線の最前線に立っている」と述べ、「私たちは権威主義勢力への対処経験を国際社会と共有する用意がある。今回のサミットが取り上げる議題、国防の強靭性の強化、世界の自由貿易の守護、民主主義を支える科学技術の発展、いずれについても、台湾は世界に貢献できる能力と決意を持っている」と語った。

頼総統は「私たちは自衛能力の継続的な向上と地域の平和・安定の維持に取り組むとともに、各国とともに全社会的な防衛の強靭性を強化し、民主主義が脅威に直面したとき、単なる理念にとどまらず、社会を安定させ日常生活を守る力となるようにしていく」と述べた。

さらに頼総統は「台湾が世界をリードする半導体とAI産業は、米国、日本、欧州、そして多くの民主主義パートナーとの長年にわたる相互信頼と協力の成果である」と表明。今後も台湾は技術的優位性を活かし、民主主義パートナーとともに信頼できる強靭な民主主義サプライチェーンを構築し、世界経済の安全と繁栄に一層大きく貢献していくと述べた。

頼総統は常々、より強い民主主義台湾の実現は台湾人民の理想であるのみならず、国際社会の期待でもあると信じているとした上で、この機会に、圧力の下にあっても台湾を支持することを選んだすべての民主主義パートナーへの敬意と感謝を表明した。

頼総統は「安全保障上の確固たる関与により防衛力強化を支援してくれた米国、台湾海峡の平和の重要性を繰り返し確認してくれた欧州連合および欧州各国、そして地域の安定のために正義の声を上げ続けてくれた日本、フィリピン、オーストラリアなどインド太平洋のパートナーに感謝する」と述べた。

「皆さんの声一つひとつが、侵略者に対する最も力強い抑止力であり、私たちの共通の価値を守る最も堅固な盾である」と頼総統は語り、「民主主義こそ台湾と世界をつなぐ絆であり、民主主義こそ台湾にとって最も貴重な財産であり、台湾人民は民主主義が容易には得られないことを深く知っている」と述べた。

今年は台湾の総統直接選挙30周年にあたる。頼清徳総統は、30年前、台湾人民は中国共産党によるミサイル威嚇を恐れることなく、史上初の総統直接選挙を完遂したと述べた。「30年にわたり、私たちは民主主義を深化させ、移行期正義を推進し、人権・法の支配・多様な価値を保障してきた。台湾はアジアにおける重要な民主主義の灯台となっている」と語った。

頼総統は「重大な対外的挑戦に直面しても、台湾人民は決して退かず、屈服もしない。台湾は主権を持つ独立した国家であり、台湾人民は世界に出る権利と世界に貢献できる力を持っている。台湾を孤立させようとするいかなる妨害も、国際社会への参加に向けた私たちの決意を変えることはできない。台湾は引き続き国際社会における善意の力として、世界で輝き続けるだろう」と述べた。

頼総統はまた「民主主義の道は逆流に遭遇することもあるが、民主主義国家の間の連帯はより一層強固となるだろう。私たちが共に立つ限り、自由の光は消えることはない。共に民主主義を守り、次の世代に自由で、開かれた、平和で豊かな世界を残そう」と訴えた。

中華民国総統府によれば、「コペンハーゲン民主主義サミット」の主催団体「民主主義同盟財団」は、デンマーク前首相・前NATO事務総長のラスムセンが2017年に設立した非政府組織であり、同財団は2018年に第1回「コペンハーゲン民主主義サミット」を開催した。

総統府によれば、第9回「コペンハーゲン民主主義サミット」は12日、デンマーク王立劇場で開催され、国防の強靭性強化、世界の自由貿易の守護、民主主義を支える科学技術の発展、民主主義最前線国家への支援強化を主要議題とした。

今年のサミットには、デンマークのフレゼリクセン首相、グリーンランドニールセン首相、カナダのフリーランド前副首相、米国のボルトン前国家安全保障担当大統領補佐官、日本の河野太郎元デジタル・外務・防衛大臣らの政治家のほか、米国、英国、カナダ、デンマーク、ウクライナ、ベネズエラ、スウェーデンなど各国の産学界関係者、市民団体、民主化運動指導者らが出席した。

鍾元