中共 ミサイル備蓄を加速 関連企業の売上急伸

2026/05/13
更新: 2026/05/13

最新の調査報告書で、中国共産党(中共)が2025年にミサイル生産を大幅に加速させていたことが明らかになった。その伸びは、習近平が2013年に就任して以降、最大規模だという。

ブルームバーグは5月12日、中国の上場企業の開示資料を分析した詳細な報告を発表した。それによると、ミサイルの主要部品を生産している中国企業は81社に増え、習近平が就任した2013年の2倍以上となった。

これらの企業のうち、4割近くが2025年に習の任期中で最高の売上高を記録した。売上総額は1890億元に達し、前年比20%増となった。一方、中国の上場企業大手300社の総収入は減少しており、ミサイル関連需要の急増が際立っている。

ブルームバーグがこの分野を分析するのは今回が初めて。中国企業の開示資料は、秘密の多い中共の国防分野を知る数少ない手がかりとなっている。報告によれば、習近平がロケット軍幹部を相次いで粛清する中でも、北京はミサイル生産能力の拡大を急いでいる。

専門家は、中共がミサイル備蓄を積み増す一方、アメリカは最近の対イラン軍事行動で大量のミサイルを使用しており、台湾や域内の米同盟国の間で懸念が広がっていると指摘している。

ブルームバーグ・エコノミクスのワシントン担当アナリスト、ベッカ・ワッサー氏は、「米中はいずれも、相手に対して優位に立てるだけの備蓄を確保しようとしている。潜在的な衝突が起きた場合に、相手より長く持ちこたえることも狙っている」と述べた。

中共はこれまで、保有する兵器の規模を公表しておらず、ミサイル供給網の詳細もほとんど明らかにしていない。米国防総省の推計によると、2024年時点で中共は少なくとも3150発の弾道ミサイルと300発の地上発射型巡航ミサイルを保有しており、2015年と比べてそれぞれ147%、50%増加した。この増加により、北京は台湾への武力侵攻や、米軍の重要拠点であるグアムを含むインド太平洋地域への攻撃能力を高めているとみられる。

ブルームバーグの調査では、少なくとも81社の中国上場企業がミサイル計画に関与していることを確認した。分野は赤外線センサーやステルス塗料など多岐にわたる。このうち22社は巡航ミサイルと弾道ミサイルの双方に関わり、15社は巡航ミサイルに特化している。昨年、売上の伸びが最も大きかった4社はいずれも、中共当局から手厚い支援を受けていた。

例えば、武漢高徳紅外股份有限公司の売上高は2025年に73%増加した。同社の赤外線センサーは主に巡航ミサイルやドローンに使われている。また、長江光繊電子股份有限公司は中国航天科工集団に光ファイバーコイルを供給しており、2025年の売上高は20%増加した。成都佳奇電子科技有限公司は、ミサイルなどに使われるステルス塗料を生産している。

ブルームバーグは、ミドルベリー国際大学院の研究助手マイケル・ドイツマン氏と協力し、これらの企業が生産する部品のうち、どれが巡航ミサイルや弾道ミサイルに使われているのかを特定した。

アメリカはすでに、中国企業数十社をブラックリストに追加している。これらの企業は中共軍との関係を指摘されており、アメリカは中共がAIに不可欠な先端半導体を入手することも制限している。こうした措置には、中共の軍事発展を抑える狙いがある。

ただ、ミサイル関連企業の成長は現在も続いている。ミサイル生産に関わる中国企業が公表した第1四半期のデータでは、総収入が2025年同期比で約20%増加した。一方、中国上場企業大手300社の第1四半期の売上高は、前年同期比で2.4%増にとどまった。

一連のデータからは、中共がミサイル開発を戦略的抑止力と戦争遂行能力の中核に位置づけている実態が浮かび上がる。