汚染水で作物栽培 農民も食べない食料が市場へ 中国

2026/05/05
更新: 2026/05/05

中国の農村で、水の異常な汚染が広がっている。見た目は紅茶のように赤く濁り、飲むことはもちろん、触れるのもためらうような水が、いまも農業に使われているという。

問題が明るみに出たのは、環境問題を発信するブロガーが河北省保定市の農村を訪れ、現地の様子を撮影したことがきっかけだった。そこでは、赤く濁った地下水で小麦を育てながらも、「自分たちは食べない」と語る農民の姿が映っていた。

動画の拡散で世論の批判が一気に高まり、当局への圧力が強まる中、地元当局はようやく調査に乗り出し、複数の井戸で水質基準を超える汚染を確認したと発表。原因は近くの化学工場からの排水とされ、水に含まれる汚れの量や塩分が基準を大きく上回っていた。

しかし、現地の住民によると、こうした状況は突然始まったものではない。少なくとも10年以上前から続いており、その間に何度も当局へ訴えてきたが、ほとんど対応されなかったと話す。

同様の問題は南部でも起きている。広東省東莞市の農村では、生活排水と雨水を分けるはずの設備が機能せず、トイレや洗濯で使われた水がそのまま池に流れ込んでいるという。実際に養殖池では魚が全滅する被害も出ている。

さらに別の地域では、工場が地下深くに管を通し、外から見えない形で汚水を流し込んでいるとの証言もある。村の人々はその地下水をくみ上げ、生活用水として使わざるを得ない状況に置かれている。

最近は水道設備が整えられた地域もあるが、「本当に安全なのか分からない」という不安は消えていない。住民の間では、「以前は高齢で亡くなる人が多かったが、ここ数年は若くして亡くなる人が目に見えて増えている」との声が上がっている。原因ははっきりしていないものの、長年続く水の汚染との関係を疑う声も少なくない。

目に見えない水の問題は、すでに人々の生活や健康に影を落としている。だが、その実態は十分に明らかにされていない。

 



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李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!