中国国務院は1月19日、2025年の国内総生産(GDP)の成長率が5%に達したと発表した。しかし、この数字については国外から「実態を反映していない」との疑念が相次いでいる。専門家は、国内需要の低迷に加え、米中貿易戦争の影響により、中国経済はすでに悪循環に陥っていると指摘する。
米中貿易戦争が続く中、中国当局が「GDP成長率5%を維持した」と強調したことに対し、中国問題専門家ゴードン・チャン氏は、発表直後に疑義を呈した。ゴードン・チャン氏は「たとえ第4四半期の成長を考慮しても、4.5%に到達することすら不可能だ」とし、「中国共産党は自己欺瞞に陥っている」と厳しく批判した。
人権派弁護士の桑普氏も、中国国内の実情を踏まえ、政府発表に強い疑問を投げかけている。
桑普氏は、「中国大陸に身を置く人間なら誰でも、『5%成長』などあり得ないことは分かっている。社会全体の空気がまったく違う」と指摘。「出生率は歴史的低水準まで落ち込み、高齢化は深刻だ。大学を卒業しても失業する若者が多い。内需は冷え込み、米中貿易戦争で輸出も投資も伸びず、インフラ投資も乏しい。こうした状況で、どうしてGDPが5%も成長できるのか」と述べた。
米シンクタンク「ロジウム・グループ」が昨年末に発表した報告書では、中国の下半期における固定資産投資が大幅に減少しており、実際の経済成長率は当局発表の「約半分」に過ぎないと分析している。
また、アメリカの学者スティーブン・ブルックス氏とベン・ワーグナー氏は、夜間の衛星画像に映る灯りの集中度を用いて中国経済を分析。その結果、中国の実際のGDP規模は、アメリカの約半分にとどまる可能性があるとの結論を導き出した。
桑普氏は、中国共産党(中共)による統計の歪曲が、民間企業や国民の政策への信頼を損ない、投資や消費を抑制することで、さらに悪循環を深めていると指摘する。
桑普氏は、「いま、クーデターや軍の反乱、民衆蜂起といった圧力は確実に高まっている。当局は統制を強めれば強めるほど、圧力は増大する。社会全体が中共に対して信頼を失っており、それが連鎖的な深刻な結果を引き起こしている」と述べた。
中国の著名な経済学者である高善文氏は、2024年12月の時点で、「過去2~3年、中国経済の成長と消費・投資の関係は著しく乖離しており、GDP成長率は毎年およそ3ポイント過大評価されている可能性がある。実際の成長率は2%前後にすぎない」と指摘していた。
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