アメリカ陸軍は、全米各地の複数の基地に小型原子炉を配備する計画を明らかにした。既存の電力網が増大するエネルギー需要に十分対応できない状況を踏まえたものであり、将来的に想定される中国共産党(中共)との太平洋での衝突や、北極圏での対立に備える狙いもあるとみられる。この取り組みは、現代の原子力分野で最も重要な計画の一つとして位置付けられている。
陸軍は10月14日、「ヤヌス計画」と名付けられた新プロジェクトを正式に発表した。2028年までに各基地への小型原子炉導入を目指しており、1基あたりの発電量は20メガワット未満で、中規模な町一つ分の電力需要を賄える規模だとしている。小型設計により、コンテナ船や航空機による輸送も可能だ。
陸軍によると、これらの原子炉は悪天候やサイバー攻撃などで電力網が停止した場合でも、基地の武器システムや主要インフラの稼働を維持する役割を担う予定だ。運営は民間企業が担当し、陸軍とエネルギー省が技術支援およびウラン燃料の供給面で協力するとしている。
陸軍のジェフ・ワクスマン副次官補は、現在、計画に参加する最初の9つの基地を選定中で、来年には請負業者を決定し、各基地に2基ずつ小型炉を建設する予定と説明した。
中共の制裁に対抗 韓国がフィリピンに対艦ミサイル提案
中共商務部は10月14日、韓国の造船大手「ハンファ・オーシャン」傘下のアメリカの子会社5社に対し、制裁を発表した。これはアメリカへの報復措置であると同時に、韓国政府に対してアメリカ主導の「MASGA(米国造船業を再び偉大に)」計画に過度に関与しないよう警告する意味合いがあるとみられる。
しかし、制裁発表と同時期に、ハンファグループはワシントンで開かれた米陸軍協会年次総会(AUSA)において、同社が開発したCTM-ASBM対艦弾道ミサイルをフィリピンに積極的に売り込んでいることを明らかにした。
CTM-ASBMは、ハンファ・エアロスペースが開発したK239「Chunmoo(チュンム)」多連装ロケットシステムに搭載する。K239は、短距離から中距離の弾道ミサイルやロケット弾を2基の発射ポッドから発射できるよう設計されており、1両につき8発のミサイルを搭載できる仕様だ。射程はおよそ160キロメートルに達し、海上目標を高精度に攻撃できるとしている。開発完了は2028年を目標としている。
フィリピン政府は、この新型ミサイルを群島各地に速やかに配備し、中共艦艇への抑止力を強化するとみられる。さらに、ベトナムやインドネシアなどの近隣諸国も同様の導入に踏み切る可能性があると伝えられている。
軍事専門家は、ハンファグループの動きについて、韓国がアメリカおよびその同盟国との防衛協力を一層深化させ、中共の海洋進出に対抗する地域防衛網の構築を支援していることを示すものだと指摘する。
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