中国共産党(中共)がエンジニアを利用して各国の技術を窃盗する行為は、珍しいことではない。7月21日、カリフォルニア州に住む華人エンジニアが商業機密を盗んだ容疑を認め、最長で10年の連邦刑に直面している。
起訴された華人エンジニアの龔晨光容疑者は59歳で、中国とアメリカ、両方の国籍を持っている。
有罪答弁契約によると、龔容疑者は2023年3月30日から4月26日の間、ロサンゼルスにある研究開発企業に勤務し、自身の職務上の立場を利用し、3600件以上の機密ファイルを不正に移転させた。これにより、企業が被った経済的損失は350万ドルを上回る。
米司法省によると、盗まれたファイルには高度な機密情報が存在し、米国政府が開発した核ミサイル発射の探知技術、弾道ミサイルや極超音速ミサイルの追跡に関する機密技術、さらには「次世代」センサーの開発に関連する商業機密が含まれていた。
なお、龔容疑者による窃盗事件は今回が初めてではない。彼はこれらの機密技術を盗むことで、中共に取り入ろうとしていたと見られる。
2014年~22年にかけて、龔容疑者は複数の大手ハイテク企業に勤務しながら、中共が主導する「人材育成計画」への申請を複数回提出していた。彼はある電子メールの中で、「リスクを冒して」中国に渡航し「人材育成計画」に参加することで、自身が中共の「ハイエンド軍用集積回路」に寄与することができると考えていたと述べている。
中共政権は、この「人材育成計画」を通じて、専門的な技能や知識を持つ海外の高度人材に技術窃盗を促し、中共の経済構造転換や軍事開発を推し進めてきた。
現在、龔容疑者は175万ドルの保釈金を支払い、一時的に釈放されている。アメリカの連邦地方裁判所は9月末に公聴会を開く予定で、龔容疑者は最長で10年の連邦刑を科される可能性がある。
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