「核弾頭11発分」イラン交渉団の挑発 米特使が明かす決裂の内幕

2026/03/12
更新: 2026/03/12

「壮絶の怒り作戦」が11日目に入り、トランプ大統領の中東和平特使スティーブ・ウィトコフ氏は3月10日、複数のメディアのインタビューに応じ、今回の戦争勃発につながったイラン核協議決裂の経緯や、その舞台裏を明らかにした。

イラン 核弾頭11発分の濃縮ウランを保有

ウィトコフ氏はCNBCの番組「Money Movers」で、開戦直前にトランプ氏の婿であるクシュナー氏とともに中東を訪れ、最後の交渉に臨んだ際の状況を詳しく説明した。当時のイラン代表団の態度は強硬で、軍事的威嚇とも受け取れる発言があったという。

当時イランは、濃縮度60%の濃縮ウランを460キログラム保有していた。ウィトコフ氏は「濃縮度が60%に達するウランは、兵器化以外に民生利用の目的は考えられない」と強調した。

さらにイラン側の首席交渉代表は、交渉の席でアメリカ側に対し「我々双方が承知の通り、この材料が核弾頭11発を製造するのに十分だ。真剣に受け止めたほうがいい」と挑発した。

イランは「ウラン濃縮の不可侵の権利」を主張し続け、2025年6月のアメリカ軍「ミッドナイト・ハンマー作戦」で破壊されずに残った施設についても、外交交渉で引き渡す考えはないと明言した。

ウィトコフ氏は「その時点で、彼らには合意する意思がまったくないと確信した」と振り返った。

なぜ今行動しなければならないのか

CNBCの司会者から、戦争による原油価格や物価の高騰を懸念するアメリカ国民の声について問われると、ウィトコフ氏は、もし今行動しなければ、1年後には30~40発の核弾頭を保有するイランに世界は直面することになると説明した。

トランプ氏が引いたレッドラインは、イランが核兵器を保有することを決して認めないということだ。ウィトコフ氏は、「中東に第二の北朝鮮が出現することは容認できない。大統領はその点を明確に認識している」と述べた。

同氏は、「力による平和」と強調し、イランのような政権は「従わなかった場合に待ち受ける厳しい結果」という言葉しか理解しないと述べた。

さらにウィトコフ氏は、トランプ氏とともにデラウェア州ドーバー空軍基地を訪れ、戦死した兵士の遺体を迎えた際の経験にも触れた。遺族はトランプ大統領に対し、「彼らの犠牲を無駄にしないでほしい。この作戦を完遂し、この脅威を取り除いてほしい」と語ったという。

交渉決裂の内幕 イランが「無償核燃料」を拒否

ウィトコフ氏はFoxニュースのインタビューで、アメリカは和平実現のため大きな譲歩を提示していたが、イラン側は拒否した。

アメリカ側はイランの核計画を純粋な民生用途へ転換する支援を提案し、さらにイランが自国での濃縮活動を停止することを条件に、「長期的に核燃料を無償で供給する」と約束していた。

しかしイラン側はこの提案を「尊厳に対する侮辱」として拒否した。

ウィトコフ氏は、これは核兵器取得を目指す意図を隠すための「ごまかし」にすぎないとの見方を示し、中東の勢力構造を根本から変えようとする狙いがあると指摘した。

中東の地政学に変化

ウィトコフ氏はCNBCのインタビューで、最高指導者ハメネイ師の後継者として息子が権力を引き継ぎ、父と同様に強硬な神権体制路線を維持する場合、トランプ氏にとって大きな課題になるとの見方を示した。

一方で、イランの脅威は周辺諸国の危機感を高め、共同で対抗する必要性を認識させたことで、「アブラハム合意」の拡大を後押ししているという。

ウィトコフ氏によれば、現在多くの中東諸国が自発的に合意への参加を求めて接触してきている。「イランのような隣国を望む国はどこにもないないからだ」と語った。

李言