民主党の下院議員70人以上が9日、連名でトランプ政権に書簡を送り、特別顧問を務めるイーロン・マスク氏が130日間の任期終了後に連邦政府を離れることを確認するよう求めた。
マスク氏は政府効率省(DOGE)の責任者として任命されているが、「特別政府職員という立場であり、法的には130日を超えて在任できない。
グレッグ・カサール下院議員など民主党議員らはホワイトハウスに送付した書簡で、「マスク氏が連邦政府を離れた後、テスラやスペースXなどの企業資産を処分しない限り、今年中に政府職へ復帰することは法的に許されない」と指摘している。
議員らはまた、「マスク氏は5月30日をもって現在の職務にとどまることはできない」とし、政権に対し、「マスク氏が辞任し、すべての意思決定権を手放す」ことを明確に示す公式声明を速やかに出すよう求めている。
ただし、書簡の中では、マスク氏が退任しない場合に議会側が何らかの措置を講じるとの言及はなかった。現時点でトランプ政権はこの書簡に対する公式な対応を示していない。
4月10日、大紀元はホワイトハウスにコメントを求めたが、記事公開時点では返答を得られなかった。
マスク氏の退任時期は依然不透明 政権は継続的関与を示唆
今月初め、トランプ大統領は記者団に対し、マスク氏は「数か月以内に辞任する」と述べ、「いずれの時点で退任しなければならなくなる」と語っていた。
また、ヴァンス副大統領は4月3日、FOXニュースのインタビューで、マスク氏が退任後も政権への助言を続ける意向であることを明かした。
「DOGEにはやるべき仕事が多くあり、それはイーロンが去った後も続く。しかし本質的に、彼は私や大統領にとって引き続き友人であり顧問である」
マスク氏は今月、ウィスコンシン州で行われたイベントでも、トランプ政権での活動がテスラ株に悪影響を与えているとし、テスラの施設や車両への抗議や攻撃も一因である可能性を示唆した。
4月10日時点で、テスラの株価は2025年初めから36%以上下落しているが、前年同月比では41%上昇している。
財政目標達成に自信 DOGEの今後は未定
マスク氏は3月27日、FOXニュースのインタビューで、「DOGEは任期中に目標達成に近づくだろう」と述べた。
「今後数か月で、1兆ドル規模の財政赤字削減に必要な作業の大半を完了できると考えている」と語った。
ホワイトハウスは、DOGEの活動終了時期について明確なスケジュールを示していない。同機関はもともと恒久的な政府機関として設置されたものではなく、2026年7月4日までの期間限定での運営が想定されている。
DOGEは当初、イーロン・マスク氏とバイオテクノロジー企業家のヴィヴェック・ラマスワミ氏が共同で主導する独立諮問機関として構想されたが、ラマスワミ氏が辞任してオハイオ州知事選に出馬したことを受け、政府組織として正式に位置づけられた。
法的ハードルも 一部の訴訟に司法判断
DOGEは一部の労働組合からの訴訟により活動に制約を受けていたが、今週、米第4巡回区控訴裁判所が下級審の差し止め命令を覆す判断を下した。
これにより、DOGEはアメリカ教育省および人事管理局の内部記録にアクセスする権限が認められた。
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