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トランプ大統領 関税騒動の中「耐えてほしい」と国民に呼びかけ 「歴史的な」結果を約束

2025/04/06
更新: 2025/04/06

ドナルド・トランプ米大統領は土曜日、新しい関税政策によってアメリカの貿易戦略を大きく見直した結果、世界的な市場の混乱が起きていることについて、国民に「今は辛抱のときだ」と呼びかけた。この政策は厳しい調整期間を伴うが、必要なものであると説明した。

4月5日に自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿した内容では、この状況を「経済革命」と表現し、最終的には歴史に残る成果を得られると強調した。
  
「私たちは必ず勝利する。辛抱強く耐えてほしい。簡単な道のりではないが、最終的な結果は歴史的なものになるだろう」と投稿し、一部を大文字で強調した。また、「アメリカを再び偉大な国にする!!!」とも力強く宣言した。

4月2日、トランプ大統領はホワイトハウスで演説を行い、経済非常事態を宣言するとともに、ほぼすべての輸入品に対して10%の関税を課すことを発表した。同時に、アメリカとの貿易不均衡が最も深刻とされる約60カ国に対して、さらに高い関税率を設定した。その中でも中国が最上位に位置づけられている。

具体的な関税率として、中国からの輸入品には34%の追加関税が課され、合計で54%となる。ベトナムには46%、日本には24%、欧州には20%の関税が設定された。これらの関税は世界的な基準関税が4月5日午前0時1分に発効し、高率のターゲット関税は4月9日から開始される予定である。

これに対し、中国は4月4日に迅速な報復措置を発表し、アメリカからのすべての輸入品に対して34%の関税を課すことを決定した。また、電気自動車や防衛システムなどの技術に不可欠なレアアースの輸出制限を含む追加措置も検討している。

これに対し、トランプ氏は中国が報復する余裕はないと述べ、自身の政策によってすでに数兆ドル規模の新たなアメリカ投資と力強い雇用成長が引き起こされていると主張した。

「中国はアメリカよりもはるかに大きな打撃を受けている。比較にならないほどだ」とトランプ氏は書いた。「彼らや多くの国々は、私たちを持続不可能なほどひどく扱ってきた。我々は愚かで無力な『鞭打ち台』だったが、もうそうではない。かつてないほど雇用と事業を取り戻している。すでに5兆ドル以上の投資があり、その勢いは急速に増している!」

木曜日、前日の発表を受けてウォール街では株価が下落し、その流れは金曜日まで続いた。4月4日には、S&P500が6%、ダウ平均が5.5%、ナスダックが5.8%それぞれ値を下げた。

市場の急落について質問されたトランプ大統領は、経済を手術を受けている患者に例えてこう語った。「状況は非常に順調だと思う。これは手術のようなもので、大きな出来事だ。こうなることは最初から予想していた」と、木曜日にホワイトハウス前で記者団に説明した。

政権の関係者も冷静な対応の重要性を強調した。スコット・ベッセント財務長官はフォックスニュースで、各国に報復措置を控えるよう呼びかけた。もし報復が行われれば、事態がさらに悪化する可能性があると警告した。

「落ち着いて状況を受け止め、どうなるか様子を見よう。なぜなら、もし報復すれば事態がエスカレートするし、報復しなければこれ以上悪化することはないだろう」とベッセント長官はは水曜日の夜、Fox Newsの「スペシャルレポート」で語った。

また、ベッセント長官は市場の低迷によって401(k)やIRA(老後資金を形成するための税制優遇付きの積立制度)が大幅に減少し、退職後の貯蓄に不安を抱えるアメリカ人に向けてこう述べた。「私たちは長期的な経済成長の土台を築いているところだ」とし、大規模な政府支出がアメリカを危険な財政状況に追い込んでいたことを指摘。「このままでは金融危機に陥るところだった」と付け加えた。

一方で、トランプ政権の関税政策に対して報復を検討する国もあれば、慎重な姿勢を取る国もある。

イタリアのジョルジェッティ経済財務相は土曜日、イタリア・チェルノッビオで開かれたビジネスフォーラムで、「誰にとっても、特に我々自身にとって大きなダメージとなるような報復関税は避けるべきだ。私たちが発信したいメッセージは、慌てて行動するのではなく冷静になることだ。現実的で合理的なアプローチを取るべきだということだ」と述べた。

トランプ政権の関係者は、昨年アメリカが1.2兆ドルもの貿易赤字を抱えていたことが、大胆な政策変更の必要性を物語っていると主張している。トランプ氏自身も以前から他国がアメリカを不当に利用してきたと訴えており、新しい関税政策は国際貿易における公平性を取り戻すためのものだと説明している。

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。