3月28日正午ごろ、ミャンマー中部でマグニチュード7.7の強い地震が発生した。その揺れは震源地から1千キロ離れたタイ・バンコクにも及んだ。
バンコクで建設中(屋上部分はすでに完成)の30階建ての高層ビルが崩壊し、大勢の作業員が瓦礫の下敷きとなり、死傷者が相次いだ。

このビルはタイ国家審計署の新庁舎で、中国国有企業「中国鉄路工程総公司(CREC)」傘下の「中鉄十局」が施工を担当したものだ。
「中鉄十局」は約1年前、同ビルの建設について誇らしげに宣伝し、その安全性を強調していたが、それがわずか1年後の遠く離れた地震の揺れであっけなく崩壊した。
(建設中のビル(タイ国家審計署の新庁舎)が倒壊する時の様子)
事件直後、「中鉄十局」はその「誇らしげな宣伝記事」を速やかに削除。中国国内メディアも「バンコクで建設中の高層ビルが倒壊」とだけ報道して、施工業者に関する部分は沈黙を貫き通している。
また、中国のネット上でも、「中鉄十局」の名に触れないよう、徹底した情報統制が行われており、「バンコク」や「中鉄十局」のキーワードで検索をかけると「エラー」と表示され、関連投稿は次々に削除されている。
中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報元編集長で、著名論客の胡錫進氏は、地震後、「(倒壊した)ビルの品質」を疑問視する内容の発言をしたが、投稿はまもなくして削除された。

この皮肉な事態に華人圏では皮肉とともに嘆きが広がっている。
「口封じにかけては世界一」
「これで中国クオリティが世界に知れ渡った」
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