「配達する前に電話してこないし、ドアをノックもしなかった」ーー。配達間違いで注文客がクレームつけたら その日のうちに担当配達員がナイフ持参で客の家に乗り込んできた。
耳を疑う「事件」だ。しかし、クレームをつける客の態度が悪かったのか、あるいは配達員のほうがあまりに多くのプレッシャーにさらされて精神的に崩壊寸前だったのか。いずれにしても、中国では近年、配達食注文客と配達員の間のトラブルが絶えない。
今月17日、湖北省武漢市のある集合住宅の1室の玄関先に取り付けられたカメラがそんな氷山の一角を捉えていた。
そこには、客の自宅に強行突入しようとする配達員、その配達員を家に入らせまいと必死にドアを内側から押し閉めようとする家主の男性の姿があった。男性の手には護身用と思われる「中華包丁」がしっかりと握られていた。
部屋の外の様子を捉えた監視カメラ映像に映った配達員の手にも、「光るナイフ」のようなものが握られていた。配達員は口汚く罵りながら、客のドアを蹴っ飛ばしたり、手に持つナイフを何度も振り上げて脅していた。
なぜこの事態になったのか。
当事者である配達食注文客と思われるユーザーによる事件説明の投稿によれば、事件のきっかけは、配達員が配達前に電話もしてこないし、ノックもしなかった、勝手に間違って配達してきたため、配達プラットフォームにクレームをつけたことだという。
「配達員はそのせいでプラットフォームから罰金を科されたんだと思う、その日の夜7時ごろにナイフ持参でうちに無理やり押し入ろうとした。幸い、夫がとっさに反応して彼を家の外へ押し出した。ドアを蹴り飛ばされて、ドアが壊れそうだ。110番通報して警察呼んだが、配達員は『お金を返さないなら毎日来るから』と脅している」のだという。
「今の人はほんとに極端すぎる」と当事者は嘆いた。
(その時の様子)
関連動画をめぐっては、「今の中国は至るところが『火薬庫』、みんな生きることに必死でギリギリのところでなんとか正気を保っている。だから自身の言動を慎まないと、いつどこで誰が豹変し、殺されるかわからない」といった「嘆き」と「自省」、「呼びかけ」が広がっている。
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