社会問題 より生活コストの安い田舎へ

「寝そべり」の次は「引退生活」? 将来に希望を持てない中国の若者

2024/10/14
更新: 2024/10/17

中国の若者たちの間で「躺平(寝そべり)」、「擺爛(努力しても無駄なので諦める)」、「四不(4つのしない、恋愛しない、結婚しない、家を買わない、子供を産まない)」といった風潮が流行している。なぜか?

都会で仕事をしている中国の若者は、激しい競争環境の中に置かれ、仕事時間は長いのに給料は少ない。お金がない彼らは、消費せず、友人と遊ばず、社会活動もしない。

現代の若者の目には、結婚や子づくりは幸福感をもたらすものではなく、むしろ人生の重荷を背負うものと映るらしい。

「運命は決して自分の手には負えない」とあきらめ、自分の惨めな人生を鎌に刈られる「ニラ」に例える人も少なくない。

 

2022年8月26日 中国・北京の就職説明会に参加する若者たち (Jade Gao/AFP via Getty Images)

 

そうして将来への希望が全く見えない若者たちは就職、住宅購入や結婚など抑圧から逃れるための新しい生き方として「ただ寝そべり」、自分の一生をただ楽しむことにしている。

最近では、都会生活に疲れて都会より生活コストの安い田舎で「引退生活」をすることを選ぶ若者が、増えている。それが話題になっているのだ。

若いのになぜ「引退」って? それは、「失業中の身」である自身を、若者たちは「引退者」と呼んでいることに由来する。

生活コストは上海の四分の一といわれている雲南省、貴州省、四川省などがその「引退生活」をするのに適しているとされており、特に貴州省が人気の場所の一つだそうだ。

 

イメージ画像、中国貴州省、2006年5月27日撮影 (China Photos/Getty Images)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!