国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は10日、中国共産党当局は、中共政府に批判的な活動に参加した在日中国人の本国にいる親族を脅迫するなど、国境を超えた弾圧活動を行なっているという報告書を発表した。特に新疆ウイグル自治区やチベット、内モンゴルなどからの出身者が、政治的にセンシティブな活動に関わることで、中共当局からの嫌がらせや脅迫を受けている。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは2024年6~8月にかけて、日本在住の中国本土や香港出身の25人にインタビューした。全員が中国共産党の一党支配に批判的な平和的活動に携わっていた。中には、新疆ウイグル自治区やチベット、内モンゴル出身の人々も含まれているという。
さらに、一部の人々は、WeChatの記録やビデオ通話の映像、防犯カメラの映像など、証拠を提供した。当局からの連絡後、政治的にセンシティブな活動を控えざるを得なくなった人や、報復を恐れてインタビューを途中で辞退した人もいた。
インタビューに応じた複数の人は、日本の警察は救済してくれないだろうという思いや、中共当局による報復や状況の悪化を恐れて日本の当局に助けを求めなかったと証言した。
ヒューマン・ライツ・ウォッチが行った調査に対し、駐日中共大使館は書簡への回答を拒否した。
インタビューを受けた大多数の人々は、中国の警察から直接、あるいは中国に住む親戚を通じて、日本での活動を中止するよう圧力をかけられたと証言している。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの笠井哲平氏は、「中国当局は、日本で活動する中国出身者を脅迫し、声を上げさせないようにしている」と述べ、日本政府に対してこのような人権弾圧を許容しない姿勢を明確にすべきだと強調している。
ヒューマン・ライツ・ウォッチが中共政府による日本での弾圧行為に関して日本政府へ送付した書簡に対して、外務省は回答を拒み、警察庁からの返答もなかった。
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