JR貨物不正行為問題で調査進む 2社の追加調査で検査データの改ざんは見つからず

2024/09/20
更新: 2024/09/21

JR貨物が車輪に軸を取り付ける作業でデータ改ざんなどの不正行為が確認された事件は同社の安全性に対する信頼に大きな疑問を投げかけた。その後、JR各社では全国的に調査が進められている。

毎日新聞によるとJR九州は19日、緊急点検の結果、車輪に軸をはめ込む際に基準を超える圧力で作業した輪軸が計328本あったと発表した。18日にはJR北海道の綿貫泰之社長は「輪軸組み立て作業の調査を進めたところ、一部圧力入値がメーカーからの目安値を超えたものがあった」と述べた。どちらも、検査データの改ざんは行われていないとしている。

事の発端は、JR貨物が9月10日、車輪と車軸の取り付け作業でデータを改ざんするなどの不正行為が確認されたことの公表から始まる。

ANNニュースによると、問題を受けJR貨物は、11日には安全確認のために一時すべての貨物列車(7千両)の運転を見合わせることとした。

JR貨物はその後、不正が確認された車両を列車の編成から外す作業を行い、12日正午までにすべての貨物列車の運行を再開させたとしている。

不正件数は9月12日時点で、北海道支社輪西車両所で貨車319両、関東支社川崎車両所で貨車275両、関西支社広島車両所で機関車4両、貨車33両、合わせて631両の車両で不正が見つかった。

機関車や貨車の車輪や歯車を車軸にはめ込む際、圧力入値が基準の上限値を超えていたにも関わらず、データの書き換えなどが行われ、検査記録が作成されていたことが不正行為として問題視されている。

国土交通省は不正が見つかった3車両所(北海道支社輪西車両所、関東支社川崎車両所、関西支社広島車両所)に立ち入り、鉄道事業法に基づく特別監査を開始した。またJR東日本に対しては、24日から特別保安監査を実施し、安全管理体制等について確認を行う。

ネットショップ担当者フォーラムによると、JR貨物の一連の問題により運送会社への影響が発生し、11日に一時すべての貨物列車の運転が見合わせとなったことで、ヤマト運輸や佐川急便などで全国的に遅れが発生していたが、現在は貨物列車の運休による両社の商品配達の遅延は解消されているようだ。