2025年3月18日、日本保守党の島田洋一衆議院議員は、埼玉県川口市で発生したトルコ国籍男性による性犯罪事件が不起訴処分となり、その理由が明らかにされていない問題について、衆議院法務委員会で質疑を行った。この事件は、2025年1月27日に川口市内で40代の女性が公園に連れ込まれ、性的暴行したとして逮捕されたものだが、さいたま地検は3月11日に不起訴処分を決定し、その理由を公表していない。
島田議員の主張
島田議員は、川口市内で外国人による性犯罪が繰り返されていることを指摘し、不起訴理由が開示されないことで女性の不安や外国人への不信感が高まると懸念を示した。また、過去にもクルド人男性による性的暴行事件があり、執行猶予中に再犯した例もあることを挙げ、「当然、女性のプライバシーには配慮しなければならないが、これだけ続いている以上、不起訴理由をある程度公開すべきだ」と主張した。
さらに、島田議員は日本の難民申請制度が悪用されている可能性にも言及した。特に「出稼ぎ目的」のクルド人のケースなど、難民申請を繰り返して滞在期間を延ばし、その間に犯罪を犯すケースがあると指摘した。
法務省の対応
法務省の森本宏刑事局長は、「性犯罪の場合、詳細な言及は難しい」と述べ、不起訴理由の開示には慎重な姿勢を示した。
これに対し、島田議員は「一般論としてはそうだが、出稼ぎ目的のクルド人のケースでは、難民申請を繰り返し滞在期間を延ばし、その期間に仮放免されて、こういった女性をターゲットにした犯罪を犯す人間が現に連続して出ている。私はこういった一般論的な話でかわされることは、不信感を呼ぶことに繋がるので、大臣もある程度指導していただきたい」と要望した。
法務大臣の対応
一方、鈴木馨祐法務大臣は、「強い危機感」を持っていると述べ、「厳しくするところは厳しくする、しっかりと厳しくしていくことだ」とし、出入国在留管理庁による適切な運用や、迅速な送還の実施を進める考えを表明した。
トルコ人による強姦事件
2025年1月27日、埼玉県川口市で40代の女性が性的暴行を受ける事件が発生した。逮捕されたのは、東京都新宿区在住で無職のトルコ国籍男性、オズウチャルギル・エムラ容疑者である。
事件は午後10時30分頃に起きた。オズウチャルギル・エムラ容疑者は、歩いていた女性に声をかけ、「何をしているの?」と尋ねたが、女性が無視すると彼女の腕をつかみ、公園に引きずり込んで数分間にわたり性的暴行を加えたとしている。その後、被害者の親族が警察に通報し、防犯カメラの映像を調査した結果、オズウチャルギル・エムラが容疑者として浮上した。
逮捕後、オズウチャルギル・エムラ容疑者は容疑を否認し、「事実ではない」と述べた。警察はオズウチャルギル・エムラ容疑者がクルド人であるかどうかについては明らかにしていない。
執行猶予中のクルド人男性が性犯罪を再犯
過去に執行猶予中のクルド人男性が性犯罪を再犯した例として報じられている事件については、2024年3月に女子中学生に性的暴行をしたとして逮捕されたトルコ国籍のクルド人が有罪判決を受け、執行猶予中の2024年9月に埼玉県川口市で12歳の少女に再び性的暴行をしたとして逮捕された事案がある。
この事件では、トルコ国籍でクルド系の20代男ハスギュル・アッバス被告を、女子中学生に対する性的暴行容疑で逮捕した。この男は難民申請中であり、仮放免状態だったことが明らかになっている。
この事件の詳細によると、容疑者は解体業をしていると主張しながらも、実際には無許可で滞在していた。男は仮放免中の立場を利用して日本国内に留まり、犯罪を犯したとしている。このような事例は、難民申請制度や仮放免制度の悪用問題を浮き彫りにし、日本国内で議論を呼び起こしている。
不起訴理由の非公開は一般的なこと
不起訴理由の非公開は、日本の刑事司法制度において一般的な運用である。刑事訴訟法第259条では、検察官が公訴を提起しない場合、被疑者の請求があればその旨を告げる義務があると規定されているが、不起訴理由については明示的に開示義務を定めていない。このため、不起訴理由の開示は検察官の裁量に委ねられている。
不起訴には「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」の主に3種類があり、それぞれ異なる意味を持つ。「嫌疑なし」は犯罪の容疑そのものがなかった場合、「嫌疑不十分」は証拠が不十分で裁判で有罪を立証できない場合、「起訴猶予」は証拠が十分でも諸事情を考慮して起訴しない場合を指す。しかし、これらの区分を明らかにしないケースが多く、特に凶悪犯罪でも不起訴理由が非公開となることが問題視されている。
不起訴理由の非公開には、捜査機関や検察官の判断によるものが多い。例えば、「嫌疑不十分」と認めることで捜査や逮捕の正当性が問われる可能性や、民事裁判で逆用されるリスクを避ける意図もあるとしている。ただし、このような運用は透明性の欠如として批判されることも多い。
被疑者本人が不起訴理由を知りたい場合は、不起訴処分告知書の申請を通じて検察官に理由開示を求めることができる。ただし、申請しない限り自然に理由が告知されることはなく、弁護人による手続きが必要となる場合もある。このような制度設計から、不起訴理由の非公開は日本では一般的な現状と言える。
背景と課題
埼玉県川口市には日本最大のクルド人コミュニティが存在しており、外国人犯罪への対応が地域社会で重要な課題となっている。不起訴理由については、日本の刑事司法制度において被害者や関係者のプライバシー保護や捜査への影響を考慮し、公表されないことが一般的だが、この運用が社会不安を助長しているとの批判もある。
今後の焦点
本件では、不起訴理由の開示範囲や外国人犯罪対策として難民申請制度や仮放免制度の見直しが重要な課題となっている。また、地域社会における外国人との共生や安全確保に向けた取り組みも求められている。
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