【閲覧注意】本記事には、不快に感じる内容があります。お食事前の読者はご注意ください。
「また出ました」という書き出しになることが、もはや読者各位に申し訳ない気がする。いったい、中国の「食禍」はどこまで続くのか。
このほど、中国の華北理工大学(河北省唐山市)の学生食堂の料理から「ネズミの頭によく似た異物」が出てきたことがわかった。食堂側は「これは牛肉だ」と主張しているという。
しかし、SNSに投稿された現場の「実物」の画像を見る限り、箸でつまんで見せたその物体は、どう見ても毛に包まれた小動物の頭部のようだ。
髭もあるし、ネズミなどの「げっ歯類」がもつ特徴的な前歯(門歯)もはっきりと確認できる。とにかく大きさから形状まで、どう見ても「ネズミの頭」にしか見えないのだ。
関連画像は10日にSNS上に拡散された。問題がでたことで大学側は同日、「食品衛生に関する問題が発生した」として、学生食堂を運営する企業との契約を解除することを告知した。だが、問題の異物が何であるかに関する説明はなかった。
その一方で大学側は、「ネズミの頭」を発見して撮影した学生に対し「この件に関する情報をSNSなどに投稿することを禁じる」などとして、個人に圧力をかけて情報封鎖措置を取っているという。
SNS上には、同じ大学の学生と思われる複数の投稿が寄せられており、それによると「うちの学食の料理から昆虫やゴム、釘(クギ)やタバコの吸い殻などが出てきたこともある」という。それが本当ならば、以前からここの学生食堂は問題があり「ネズミの頭」だけではなかったのかもしれない。
この頃、中国の学校食堂における「食の安全問題」が、しばしばニュースになっている。
すでに「ネズミの頭が出てきた事件」が何度も起きていることもあり、呆れたネットユーザーからは「これはもはや連続ドラマだ。次はいつ更新されるんだろうね」と、笑えない冗談も寄せられている。
はじまりは今年6月1日。江西省南昌市のある職業大学で、学生食堂の料理のなかから「ネズミの頭によく似た異物」が出てきた。当初、学校側および現地の市場監督管理局は「これは(食べられる)アヒルの首だ」と主張し、ネズミの頭であることを完全否定していた。
しかし、後に省調査団による分析の結果、やはり「ネズミの頭」であることが判明し、学校側と管理局もその事実を認めた。関係者はそれぞれ処分されて一件落着。とりあえず鎮静化をはかるための、当局による「安っぽい正義」が演出された。
ところが、続く6月27日には、重慶市秀山県の中医院(漢方医学による病院)の食堂が出す弁当のなかから、またしても「ネズミの頭」に酷似した異物が出てきた。世論の圧力もあって、地元の監督部門が「異物はネズミの頭だと確認した」とする通報を出している。
世間を騒然とさせ、国外メディアまで取り上げて注目を集めた「ネズミの頭ではなくてアヒルの首だ」の事件(6月1日)からわずか2カ月しか経っていないころ、問題の学生食堂に食材を納入していた企業が、新たな飲食企業を設立したことが分かった。信用のおけない企業のさらなる事業拡張について、ネット上では非難が殺到した。
それにしても、嫌な予感がする。これから先も、どこかで再び「ネズミの頭」が料理の皿から顔を出すことがあるかもしれない。
事故か、故意かは、全く分からないが、どうも今の中国は「料理から、とんでもない異物が出た」が多すぎることは確かなようだ。
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