この頃、事実上経営破たんした中国新興EVメーカー「極越汽車」をめぐる騒動が話題になっている。
突然過ぎる「即時解散 」の発表があった後、中国各地から数百人の従業員が給料の支払いを求めて上海本社に集結して抗議を行ってきた。1週間以上経つが、今のところ進展はないようだ。
「極越汽車」はバイドゥ(百度、baidu)と浙江吉利控股集団(Geely)というそれぞれ中国のIT業界や自動車業界を代表する大手企業によって設立されており、解散によって各地の5千人を越える従業員は給料も補償金ももらえない窮地に立たされている。
「現地政府や2大株主らは未払い給料問題や補償問題をなかなか解決してくれない」として、12月19日朝には一部の従業員たちは車のクラクションを一斉に鳴らすなどして、抗議していた。
しかし、こうした給料を支払を求めるといった当然の権利を主張するものであっても、SNS投稿やライブ配信は中国のネット上で検閲に遭い、見つかればすぐに封殺される。
これらの抗議者たちは警察によって厳しく監視され、集会やスローガンを叫ぶなどの集団行動を禁じられ、生放送や写真・ビデオ撮影も許されない。
それでも抗議をする従業員は跡を絶たず、多くの逮捕者が出ているという。
NTD新唐人テレビの取材に応じた同社従業員の陳さんの場合、「自分は1週間以上も権利を主張してきたが給料をもらえる見込みは全くない、そのうえ毎日の食事や宿泊費、交通費もかさむため、一部の他の省から来た従業員は金欠で権利主張を続けられなくなっている」と打ち明けた。
「本社の出入り口は厳重警備体制が敷かれており、警察が人や車の出入りを厳しくチェックしている。会社の門前に集まる人は警察によって顔を一人ずつスキャン、身分照合され、『指名手配』になっていたらそのまま連行され、残った人たちもバスへ詰め込まれる」という。
(極越汽車の従業員らが同社夏一平CEOを取り囲んで給与の支払いを求める場面、12月12日)
なぜ中共は隠蔽するのか
中国国内では、ゼロコロナ政策の失敗、中国経済の低迷により、給与未払いに対する抗議をはじめ、社会報復事件など痛ましい事件が頻発している。それらの事件に対して、当局は徹底的に隠蔽している。
大紀元の社説「共産党についての九つの論評」の【第九評】中国共産党の無頼の本性には、「『安定が一切を圧倒する』、『一切の不安定要素は、その萌芽状態のうちに消滅させる』というのが、中共が人民を弾圧する理論的根拠になっている」と述べ、「誰が中国最大の不安定要素であるのか。それは専ら暴政を行っている中国共産党にほかならない」と断じている。
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