中国に渡航する人はご注意を 中国税関の「新兵器」は巨大なロック

2023/09/03
更新: 2023/09/03

8月30日以降、日本から中国へ渡航する場合、渡航前のコロナのPCR検査および抗原検査のほか「中国税関出入国健康申告」などが不要になる(駐日中国大使館)。

ところが、このごろ「中国に行く際は、中国税関の『新兵器』にご用心を!」と呼び掛けるSNS投稿が相次いでいる。中国各地の国際空港では、預けた荷物を受け取る際に、多くのスーツケースに税関の巨大な「ロック」がかけられているのだという。

ロックには、以下のような注意書きがついている。

「あなたの荷物は、税関の監視管理下に置かれた。自ら税関に申し出て、検査を受けてください。無許可で開封したり、封印を損壊した場合は、相応の責任を負うことになる(中国語:您的行李已被海關監管,請主動向海關申報並接受檢查,擅自開啟或損毀海關封志要負有責任)」

ネットユーザーによると、海外から中国に着いたある便では、なんと百人以上がこの「新兵器」にひっかかり、税関検査が翌朝の午前5時まで続いたケースもあったという。

これに先立ち「海外から上海や成都の国際空港へ入国する際に、多くの乗客の荷物が検査されている」という噂が立っていた。

このような税関の新たな動きについて、時事評論家の章天亮氏は、次のように指摘する。

「以前は、荷物を先に受け取ってから申告書に記入するという流れだった。ところが今では、最新の機器を使ってスーツケースごとをスキャンし、その中身を素早く識別して、ロックをかけて逃げられないようにしている。これは税関当局だけの行動ではなく、中央からの統一指令である可能性が高い」

なぜ今、中国の税関は突然このような行動に出るのか、という疑問について、章氏は「中国人の代購に、当局が目をつけたからだろう」と分析する。

「実は『代購』は昔から盛んに行われてきた。現在、中国政府はお金がなくなったから、この『抜け穴』を塞いで、少しでも多く税金を徴収しようとしているのかもしれない」

「代購」とは、中国人観光客が海外で購入したブランドものの時計やバッグなどの高級品をスーツケースに詰め込んでこっそり運び込み、中国で売りさばく密輸行為のことだ。

中国の税関は、今や「鵜の目鷹の目」で税金を徴収しようとしている。ルールがあれば遵守すべきであるが、不必要なトラブルを避けるためにも、持ち込みを制限されているものは荷物に入れないようにすることが肝要だ。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。