王毅外相 「米中共同統治」を否定 専門家「中共は怯んだ」

2026/03/10
更新: 2026/03/10

3月8日に開催された中国共産党(中共)全国人民代表大会(全人代)と中国人民政治協商会議(政協)の合同記者会見で、一貫して対外的に強硬姿勢を示す王毅外相は、いわゆる「米中共同統治」の枠組みを認めないとの見解を示した。専門家は、中共党首の習近平がかつてはアメリカと対等な立場を主張し、「東昇西降(東が昇り西が衰える)」と称していたが、現在は米トランプ大統領の強硬な打撃により、中共は一時的に後退せざるを得ない状況にあると指摘した。

中東情勢がトランプ大統領の訪中日程に影響するかとの質問に対し、王毅外相は今年は米中関係の「重要な年」であり、「ハイレベル交流の議題はすでに我々のテーブルに上がっている」と述べ、米中首脳会談が予定通り行われることを間接的に確認した。

王毅外相はまた、米中関係は「全体的に安定している」と述べた。

政治評論家の唐靖遠氏は大紀元に対し、王毅外相は明らかに米中首脳会談を特に重視していると指摘した。中共上層は、トランプ政権発足以来の大型施策、貿易戦争の開始、ベネズエラとイランでの政権交代推進、中共の南米拠点であるキューバへの圧力、アメリカにおける麻薬対策同盟の構築は全て中共を狙ったものだと認識している。中共は現在、次々と敗退しているため、アメリカとの関係を比較的安定させ、トランプ氏の攻勢を遅らせたいと切望している。

記者会見で米メディアが「中国は『米中共同統治』(G-2)枠組みを受け入れるか」と質問した。王毅外相は「大国共同統治」の論理には同意せず、「平等で秩序ある世界多極化の構築」は各国の共通の責任であるべきだと述べた。

この「G2」(Group of Two、二国グループ)概念は、もともとアメリカの経済学者が提唱したもので、世界最大の二つの経済体である米中が経済や気候などのグローバル課題で緊密に協力すべきことを強調していた。トランプ大統領が昨年訪中を発表した際にも、この表現を使用していた。

唐靖遠氏は、王毅外相が米中共同統治を認めないと言ったのは、実は中共当局の戦略的後退だと指摘した。

彼は、真の意味での「米中共同統治」は実は習近平自身が提唱した概念だと指摘。数年前、習近平は「東が昇り西が沈む」時代が来たと考え、太平洋には米中両大国が共存できると発言した。つまり「私はあなたと対等な立場になれる」という意味だった。

ではなぜ今、中共はこれを認めないのか? 唐氏は、トランプ大統領が極めて断固として強力かつ方向性において正しい戦略を実行したため、中共は戦略的縮小と防衛を余儀なくされたと説明する。ベネズエラ政権は交代し、イラン政権も現在交代しつつあるが、中共は為す術がない。加えて中共は政治的な権力闘争による内乱に直面し、内憂外患の状態にあるため、アメリカとの関係緩和を望んでいるのだ。

ただし彼は、習近平が「東昇西降」戦略を一時的に棚上げしたに過ぎず、中共体制は永遠にアメリカを敵とみなし、アメリカを倒すことを究極の目標とする性質を持っていると指摘した。

陳破空氏は、中国の「弟分」が倒された以上、理屈では中国はアメリカに抗議し、習・トランプ会談を中止すべきだったと指摘する。しかし中国はそうした行動を取らず、むしろトランプ氏に媚びを売った。さらに国連駐在の「戦狼大使」耿爽を外交学会副会長に異動させた。アメリカがイラン戦争を開始すると、中国は台湾への軍用機による威嚇飛行を一時停止し、これもアメリカへの軟化姿勢を示し、習・トランプ会談への道筋を整えたのだ。

陳破空氏は「現在、習近平はトランプ氏、アメリカに求めていることがある。王毅が口先で強硬な発言をしたのは、中国国内の聴衆に向けたものだ」と述べた。