朝の公園で母子が首つり自殺 「母親は病気、息子は失業」の絶望からか=中国 吉林

2023/07/31
更新: 2023/07/31

【閲覧注意】本記事には、ご遺体が映った映像や画像があります。ご注意ください

今月26日未明、吉林省白山市の公園内で男女2人が首を吊った姿で発見された。

伝えられるのはネット情報が主であるが、死亡した2人は母親と息子。母親は肺がんを患っており、息子のほうは失業したばかりだという。そのようなことから、生きていく希望を失った2人が、夜明け前の公園で最後の食事をした後「ともにあの世へ旅立った」と見られている。

中国メディアは27日、現地の葬儀社職員の話として、26日に首を吊って死亡した男女の年齢について、女性が71歳、男性が45歳だったと報じている。

2人が首を吊った場面を映した動画はSNS上にも流れている。動画のなかで、まっすぐ伸びきった母親に対して、息子のほうは母親に向かって「跪くかたち」で首を吊っているようだ、と言われている。

あくまで想像ではあるが、息子は、自らの手で母親を先に吊るしてから、自分も後を追うかたちで縊死したのだろうか。宙に浮いたまま母親に跪く息子の思いは何だったのか、それを本人に確かめることは、もうできない。

(動画はこちら、閲覧注意)

 

ネット上では、自殺した親子に同情する声が多く上がっている。なかには以下のように、現政権へ向けられた批判も少なくない。

「中国では、病気になって治療費が払えなければ、自殺するしかない。失業して生活救済が受けられなければ、同じく自殺するしかない。しかし中国人は、誰がこのような結果を引き起こしたのか、理解していないのだ!」

「いま成都でやっている大運動会(世界ユニバーシティー大会)は納税者の金を数千億も投じて、世紀の大宴会をやっている。しかし、その裏にあるのがこれだ。小康社会の全面的完成と謳っているが、実際はどうなのか?」

中国では近頃、「一緒に死ぬこと」を目的とした見知らぬ人たちがSNSを通じて落ち合い、その場所で「集団自殺」する現象も起きている。さまざまな生活苦から、自殺に追い込まれる人が後を絶たない。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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