岸田翔太郎秘書官、退職手当や期末手当等は全て返納希望 本人申し出=官房長官

2023/05/30
更新: 2023/05/30

29日に辞職が発表された岸田翔太郎首相秘書官について、 松野博一官房長官は30日の記者会見で、「退職手当や期末手当、勤勉手当が支給されるのであれば、全て返納したいと本人から申し出がある」と明らかにした。

また、翔太郎氏の件については、「総理は報道により認識したと承知している。この件についてこれ以上回答しない」とも付け加えた。

翔太郎氏は岸田文雄首相の長男。公邸の不適切使用に関する週刊誌報道を受けて批判が集まっていた。政府は29日、6月1日付で翔太郎氏を辞職させ、後任に岸田事務所の山本高義元首相秘書官を充てる人事を発表した。事実上の更迭となる。

岸田首相は29日の会見で、公的立場にある政務秘書官として不適切であり、「けじめをつけるため交代させる」「当然任命責任は私自身にあり、重く受け止めている」と述べていた。

北朝鮮について

松野氏は、北朝鮮が軍事偵察衛星の打ち上げを6月から実施すると発表したことについて「政府としては弾道、ミサイルの発射を含む北朝鮮の軍事動向について、平素から重大な関心を持って情報収集分析に努めている」とした。また、北朝鮮からミサイルが発射された場合、公表すべき情報を入手した際には速やかに発表する方針を再確認した。

ミサイルが日本の領土領海に落下する、もしくは上空を通過する可能性がある場合には、その注意が必要となる地域に対し「Jアラート」(緊急放送)を送信するとし、ミサイルが日本の領域に落下する恐れが認められる場合には、迎撃を含む必要な措置を取ることとなるとした。

また自治体等に対しては、住民に情報を確実に伝達する体制を確保するよう要請し、防災行政無線等の点検等の徹底を求める考えを明らかにした。

松野氏はさらに、北朝鮮が予定している衛星の打ち上げについて、「技術的には弾道ミサイルに使用されるものと、ほぼ同一で互換性のある技術」とし、「北朝鮮の用いる呼称にかかわらず、今般予定されているものも弾道ミサイル技術を使用したものと考えている」と明らかにした。北朝鮮による同技術を使用したいかなるミサイル発射も国連安保理決議に違反していると指摘した。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。