参院選の応援演説中に銃撃され亡くなった安倍晋三元首相について、政府は今年の秋に「国葬」を行う方針を定めた。岸田文雄首相が14日、記者会見で明らかにした。

岸田首相は会見で、安倍元首相について「憲政史上最長の8年8カ月にわたり、卓越したリーダーシップと実行力をもって、厳しい内外情勢に直面する我が国のために、内閣総理大臣の重責を担った」と指摘。「東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開等の大きな実績を様々な分野で残した」「外国首脳を含む国際社会から極めて高い評価を受けて」いることなどを挙げ、その功績を讃えた。

その上で「この秋に国葬儀の形式で、安倍元首相の葬儀を行うこととする。活力にあふれた日本を受け継ぎ、未来を切り開いていくという気持ちを世界に示していきたい」と述べた。

国葬を行うことで「安倍元首相を追悼するとともに、我が国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜くという決意を示していく」とした。首相経験者の国葬は戦後、1967年に亡くなった吉田茂元首相以来となる。