米国人が電気自動車を購入しないのはなぜ? 新調査で明らかに

2022/07/15
更新: 2024/06/28

ある調査で、米国人が電気自動車EV)の購入を避けるのは、充電のロジスティックスの問題、つまり充電施設が少なく、ガソリン車よりも多くの距離を走らなければならないことが最大の理由であることがわかった。

米国人約8000人を対象に実施した消費者調査のレポートによると、EVを所有しようと思わない理由として、61%の回答者が充電のロジスティックスを、55%が1回の充電当たりの走行距離を挙げている。また、52%がEVの購入費と維持費の高さだと答えている。

また、46%の回答者は、EVの所有に対する金銭的な優遇措置を聞いたことがないと回答した。

レポートによれば、米国人ドライバーの14%が、「今日車を買うなら、EV専用車を買うかリースする」と答えていることが分かった。この数値は、米国の免許を持つドライバー3392人を対象に実施した2020年の全国的な消費者調査の4パーセントから、顕著に増加している。

ケリー・ブルー・ブックの最新データによると、EV新車の平均価格は5万6000ドル程度で推移している。一方、同時期のコンパクトカー新車の平均価格は約2万5000ドル、EVでないSUV新車の平均価格は3万4000ドル、EV版は4万5000ドル近くだった。

いっぽう、データ分析・アドバイザリー企業のJ.D.パワーが最近発表したレポートによると、EVやプラグインハイブリッド車は、内燃機関より問題が多い可能性があることがわかった。

6月28日に発表されたJ.D. パワー2022 U.S. イニシャル・クオリティー・スタディーのプレスリリースでは、内燃機関車の問題が100台あたり平均175件だったのに対し、プラグインハイブリッド車では239件、EVでは240件と跳ね上がっていた。

今回初めて集計対象になったテスラモデルは、100台あたり平均226件の問題が発生したとのことだ。

J.D.パワー社のグローバル自動車部門ディレクターであるデビッド・アモディオ氏は、「自動車メーカーが販売する自動車は、ますます技術的に複雑化しつつあるが、それを支える重要な部品の不足が多発している」とプレスリリースで述べている。

ガソリン価格の高騰に対して、共和党は、「バイデン政権の政策が原因である」と非難している。いっぽう、ホワイトハウス関係者は「米国人にEVを購入するよう」呼びかけている。

6月中旬、エネルギー省のジェニファー・グランホルム長官は、「米国人が1ガロン5ドルのガソリンに対抗するには、内燃機関を捨ててEVを選ぶことだ」と語った。

6月14日に共和党がソーシャルメディアで流したクリップで、彼女は「ガソリン車とEVを比較して、給油するより充電する方が1回の満タンで60ドル節約できるとなったら、とても説得力がある。しかし、まずは購入時点での価格を下げたい」と述べている。

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。