米空母打撃群、南シナ海と地中海で同時展開 NATO軍指揮下入りは冷戦後初

2022/01/27
更新: 2022/01/27

ロシアがウクライナ周辺地域に戦力を配備するなか、米軍空母がNATOの指揮下に入り、欧州の海軍と地中海で演習を開始した。同時に中国共産党へのけん制として2つの空母打撃群を西太平洋に展開、海上自衛隊と演習を行なった。

米空母打撃群、南シナ海へ

海上自衛隊と米空母打撃群の共同演習は17日から22日にかけてフィリピン海で行われた。海上自衛隊のヘリ搭載護衛艦「ひゅうが」、米海軍の空母「カール・ヴィンソン」と「エイブラハム・リンカーン」そして強襲揚陸艦や駆逐艦など10隻の艦艇が参加した。演習の目的について、米太平洋艦隊は「自由で開かれたインド太平洋を維持し守る」ためだと発表した。

演習後、2つの米空母打撃群は南シナ海を航行した。米国防総省は24日、空母打撃群が南シナ海で対空戦闘や対艦戦闘の演習を実施すると明らかにした。

ロイター通信は米軍幹部の話として、演習には同盟国を安心させ、「有害な影響に対抗」する決意を示す目的があると報道した。

空母3隻の合同演習

地中海では、北大西洋条約機構(NATO)の海軍と米空母空母「ハリー・S・トルーマン」による共同演習「ネプチューン・ストライク」が24日から行われている。2月4日まで実施されるこの演習では、米軍の空母打撃群が冷戦後初めてNATO指揮下で任務を遂行する。打撃群には1隻のミサイル巡洋艦と4隻の駆逐艦が含まれている。

この演習後には米仏伊合同演習「クレマンソー22」が実施される。米海軍空母「ハリー・S・トルーマン」のほか、フランス海軍の空母「シャルル・ド・ゴール」及びイタリア海軍の空母「カヴール」も加わる。

フランス軍省報道官は22日、この多国間演習について「政治力と軍事力の象徴であり、パートナーや競争相手に強いメッセージを送っている」と記者会見で述べた。

フランス国防省によると、「シャルル・ド・ゴール」空母打撃群はイタリア空母と訓練したのち、東地中海で米空母「トルーマン」と合流して3国合同演習を行う。演習は主に地中海で行われるが、少数の軍艦と作戦機は黒海で任務を遂行する。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。