米中ハイテク戦は東アフリカのエチオピアまで広がっている。米政府が支援する国際通信事業者連合体は、エチオピア政府の重要な電気通信事業入札で、中国当局が資金を提供した別の連合体を制し、同国通信市場への参入を承認されたことがわかった。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)23日付によると、エチオピア通信当局は22日、英携帯大手ボーダフォン(Vodafone Group PLC)が率いる国際通信事業者グループを利用し、全国で5G(次世代移動通信システム)対応のワイヤレス・ネットワークを構築することを決めた。米政府の対外援助機関、国際開発金融公社(DFC)は、ボーダフォンのこの数十億ドル規模のプロジェクトに対して財政支援を行った。
同機関は、低金利の貸出を行った。中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の通信設備を購入しないことは、貸出の一つの条件だという。
南アフリカを中心とする多国籍通信事業者であるMTNグループは、エチオピア政府の入札に参加し、ボーダフォンが率いる国際企業連合体と競い合った。MTNグループは、長らくファーウェイとZTEの技術と設備を購買してきた。同社は、入札にあたって、中国国有投資ファンド「シルクロード基金」と協力した。中国側は、MTNグループのエチオピアでの通信事業提案に資金を提供したという。
ブルームバーグは、情報筋の話として、ボーダフォン側の国際連合体はエチオピア通信当局に対して、総額8億5000万ドルのライセンス料を提示し、MTNグループは6億ドルを提示したと報じた。
WSJ紙は、米中ハイテク戦が激化する中、米政府が支援する国際企業連合体がエチオピアでの通信ライセンスを獲得したことは、より広い地政学的な重要性を帯びるとの見方を示した。
エチオピアは過去20年間、中国当局との間で強い経済協力関係を結んだ。ジョンズ・ホプキンス大学の中国・アフリカ研究イニシアティブ(China-Africa Research Initiative、CARI)の研究では、2000~18年まで、エチオピアは中国金融機関との間で総額137億ドルの融資協定を結んだとわかった。
いっぽう、エチオピアは、米国の重要な戦略的同盟国である。米政府は、同国におけるイスラム国やアルカイダを含む国際テロ組織の撲滅を目指している。
(翻訳編集・張哲)
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