中国のDNA親子鑑定、「お金を出せば誰でも公的機関の証明書を買える」との報道

2020/09/14
更新: 2020/09/14

中国ではこのほど、親子関係を証明するDNA鑑定の詐欺事件が発覚した。中国紙・新京報9月12日付によると、業者に数千元から数万元(約数万~数十万円)を支払えば、「誰でも」政府公認のDNA鑑定証明書を取得できるという。

 

報道によると、中国の「司法ダフ」と呼ばれる人たちは偽物の出生証明書を作成できるだけでなく、中国政府から認定を受けたDNA鑑定機関と協力し、「依頼者の実の子ではない子どもを、依頼者と『親子』にする」こともできるという。

 

報道では、ある養子縁組をした養親は、鑑定機関の職員を通して、養女を「実の子」とする鑑定証明書を入手した。この証明書を基に、養親は病院から「出生証明書」を発行してもらい、養女の戸籍を不正に取得したという。全部で3万6千元(約56万円)の費用がかかったという。

 

ダフ屋は通常、SNSアプリの微信(ウィーチャット)を介して、依頼者と連絡を取り合っている。違法な養子縁組であっても、養子を「実の子」と示すDNA鑑定証明書を発行できる。司法ダフ屋は宣伝文句として、「DNA鑑定証明の真偽を知る第三者はいない」と唱えている。「鑑定」の過程においては、依頼者らの立ち会いも、関係者の血液サンプルの提供も、配偶者や子どもの名前や指紋すら必要ない。依頼者は、ダフ屋が提供した血液サンプル袋に適当に仮名だけを書き残せばよいという。その2日後、依頼者は事前に送られた受付番号を使って、政府の照会プラットフォーム上で、「DNAが一致、生物学上の親子である」というDNA鑑定結果を確認できる。

 

中国広東省にある公立病院の法医学鑑識機関、広東華医大司法鑑定中心がこの鑑定証明書を発行した。同機関の関係者は、新京報の潜入記者に対して、証明書自体は「本物だ」とした。

 

DNA鑑定に関する不正行為が報道されたことを受けて、中国当局者は現在「調査中だ」にとどまり、具体的な措置などには言及していない。

 

(大紀元日本ウェブ編集部)

 

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