中国とロシアの軍事的脅威に対抗するため、米軍は新たな戦闘車両を開発している。現在運用中のM1A2エイブラムス主力戦車とM2ブラッドレー歩兵戦闘車に取って代わる新型車両は、2035年の完成予定とされていたが、増大する中露の軍事的脅威に対応するため計画が前倒しされる見通しだ。
米メディアDefense Newsによると、アメリカ陸軍長官マーク・エスパー氏は2月15日、新型戦闘車両の開発を含む多くの開発プロジェクトを進める意向を示した。エスパー氏は増大する中露の軍事的脅威を念頭に、「我々は15年も待てない。(計画を)推し進め、より早く完成させなければならない」と述べた。米国防省が先月発表した「国家国防戦略報告書」では、中国とロシアが米国の最大の相手国として挙げられている。
同報告書では、中国とロシアはすでに米軍の軍事的優位性を損なっているため、アメリカは国防予算の支出を増大し軍事力の強化に努めなければならないとある。また、中国共産党政権は軍事力を用いて太平洋・インド洋地域の秩序を脅かし覇権を握ろうとしていると警告した。
中国とロシアの軍事的脅威に対抗するため、米軍は次世代戦闘車両(Next-Generation Combat Vehicle,NGCV)の開発を優先事項の一つとして考えている。開発はロッキード・マーティン社他から構成される合同チームによって進められ、7億ドルの予算が支給された。次世代戦闘車両はM1エイブラムス戦車とM2ブラッドレー歩兵戦闘車の双方に取って代わる予定だ。
米国2019年度軍事予算案でも次世代戦闘車両の試作車の設計について言及されている。計画では2022年9月30日までに試作車2台を完成させるとあるが、さらなる資金投下により納期を前倒しすることが盛り込まれた。
M1エイブラムス戦車とM2ブラッドレー歩兵戦闘車はいずれも1980年頃に制式採用され、グレードアップを経て40年近く運用されてきた。最新式のM1A2は120ミリ砲と複合装甲を備え、世界最高水準の主力戦車と評されている。一方のM2歩兵戦闘車は、M1主力戦車を補助する役割を果たしてきた。
(翻訳編集・文亮)
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