米軍は、小型ドローンをレーダー上で「偽の戦闘機」に見せかける「空中発射デコイ」と呼ばれる技術を運用している。一度に数十機の戦闘機が飛来しているように見せかけ、敵が本物と偽物を見分けにくくするものだ。
このシステムは、米防衛大手レイセオンが開発した「小型空中発射デコイ」で、MALDと呼ばれている。外見は小型ミサイルに似ているが、実際には小型の無人飛行体。爆薬は搭載せず、電子信号を使って戦闘機や爆撃機のレーダー反射や飛行経路を再現し、敵に多数の戦闘機が接近していると思わせる。
米国防関連請負業者ジョナサン・カントール氏は、MALDを戦場に現れる「空中の幻影」に例えている。米軍は複数のMALDを一斉に発射し、レーダー上に多数の偽目標を映し出すことができる。これにより、敵に防空システムを早期に作動させたり、ミサイルを発射させたりするほか、レーダーの位置を特定することも可能になる。その間に、実際に任務を遂行する戦闘機は敵の防空網を突破し、攻撃を仕掛けやすくなる。
最新の改良型MALD-Jは、戦闘機に見せかけるだけでなく、敵のレーダーを妨害する機能も備えている。これにより、米軍機が発見されたり、ロックオンされたりする危険をさらに抑えられるという。
MALDは1基当たり約38万ドルとされているが、1機約3億7千万ドルのF-22戦闘機と比べると、コストははるかに低くなっている。撃墜された場合でも、戦闘機やパイロットを失うより被害を抑えられる。
MALDは1990年代に登場しましたが、近年は技術改良が進んだことで、再び注目を集めている。レイセオンは今年7月、米軍とNATOの需要増加に対応するため、生産ラインの再稼働を急ぐと発表した。
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