法輪功を弁護したことで迫害されている人権弁護士は16日、6月に発表した新著を大紀元中国語ネット版に無料公開した。本は、中国当局による拷問や家族への嫌がらせ、共産党政権の崩壊と次世代の中国社会の予測をつづったもの。
不屈の人権派弁護士として知られる高智晟氏は、当局の監視下で秘密裏に書き上げた著書『2017年、起来中国!(2017年、中国よ目を覚まして)』を今年、台湾や香港、米国で出版。米国在住の高氏の妻・耿和さんは、書籍を本土へ送ったものの当局により没収・破棄されたため、このたび、ネット公開に踏み切った。
耿和さんは16日、この本の電子書籍版の無料公開を、大紀元に委託した。
本土への唯一の連絡先だった高氏の実兄とも連絡が絶たれ、高氏本人と話はできない状態だ。そのため、ネット無料公開は、夫の意をくんで、米国在住の高氏の妻・耿和さんが決めた。
「夫はきっと理解してくれると思います。夫がこの本を書いた最大の目的は、中国で起きたこうした一連の出来事を記録し、自分の経験した苦難を通して中国共産党政権の本質を理解し、目覚めてもらうことだから」。
高氏は、共産党による法輪功への迫害を非難したことで、2005年以後、複数回にわたり連行・収監され、凄惨な拷問を受けた。釈放後の現在も、家族や知人との連絡を絶たれたり、外出を制限されるなど、警察による24時間体制の監視下に置かれている。
大紀元の取材に答えた耿和さんは、中国当局の秘密警察による家族への監視や嫌がらせがますますひどくなったという。
「当局は、どうしてたった一冊の本を恐れているというのでしょうか。本にはいったい何が記されているのか、当局がここまで恐れる理由はいったい何なのか、その目で確かめてください」とネット無料公開の意図を語った。
著書の中で高氏は、05年以来中共当局から複数回にわたり不当に収監されてから経験した、尋問や拷問、心身的な迫害といった獄中生活の様子を詳細に記している。また、迫害に係る司法や警察、刑務所、軍内部で働く人々の歪んだ心理状態を明らかにした。さらに高氏は、2017年に中国共産党政権の崩壊を予想し、未来の中国社会の理念と構想を提案している。
(翻訳編集・島津彰浩)
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