【大紀元日本3月9日】中国メディアはこのほど、温家宝首相の対外政策に関する文章を発表、文章中で、中国共産党は今後100年間、民主化を実行する計画がないことを示唆した。
_deng_小平路線を踏襲
中国最高の立法機関である全人代が開催される直前、新華社通信は2月26日、温家宝首相の長篇文章「社会主義初級階段と外交問題に関する数個の問題」を掲載した。新華社が、党中央指導者の署名付き文章を載せるのはめったにないことだ。
同首相の文章は全長5000字、党の対内政策については経済建設を中心に強調、対外政策については、_deng_小平・元総書記がかつて定めた綱領「目立たず、出しゃばらず」の外交方針を堅持するよう重ねて言っている。
温首相の牽制球
中国独立評論家の劉暁波氏によると、同文章には取り立てて目新しいものは見当たらないが、_deng_氏の外交方針をあらためて確認しているのが特徴だという。ここ数年来、中国はめざましい経済発展を遂げ、中国国内の一部勢力には、党幹部をも含め、中国はもう_deng_氏の外交路線を見直し、国際舞台で鮮明に中国色を打ち出し、大国にふさわしい役割を担うべきとの声があった。同首相が今回発表した文章は、それら勢力の頭を冷やす「牽制球」のようなものだ。
社会主義を堅持して、向こう100年間は不変
温首相は文章中で、中国が現在において社会主義の初級階段を登っている最中だと強調、急がねばならない任務に経済発展を挙げ、「人口十億以上の大国が、富強民主、文明が調和された社会主義による現代国家を建設する。これは人類史上でも見られなかった壮挙で、長期的に取り組むべき難しい歴史的任務だ。このため、われわれは党を堅持し、社会主義初級階段の基本路線を今後100年間動揺させてはならない」との見解を示した。
連合通信の27日報道によると、北京で全人代が開催される際に、中国の民主活動家が党中央に向かって共産独裁を放棄するよう呼びかける予定であったため、温首相はまた公衆に向かって、「党は今後100年間、民主化を実行するつもりはない」と先制して釘を刺したという。
中共かつてのスローガン「民主化」
評論家の多くが曰く、1949年以前に中共が国民党と争っていた際、中共が民衆に提供した耳障りのいいスローガンが「民主」であった。そして、党が実権を掌握してから60年後、民主は100年先の夢となった。これは一体何なのか。
前出の劉氏によると、これは非常に簡単だ。中共はこれまで一貫して民主化など実行するつもりなど初めからなく、ただ国民党との権力闘争に勝利するために民主をスローガンとして提出したにすぎない。共産党はこれによって結果的には、国民党に勝利したが、その後の根拠になったのは「延安整風」後の独裁体制だ。
中国ではここ数年来、党幹部が一党専制をいいことに欲しい侭に官僚腐敗に溺れ、民衆の公憤も亢進しており、中共内部のハト派でさえも民主化を実行し、権力の分立を図るべきだと主張し始めている。しかし、政治改革は、現在の中国では一種のタブーとなっているのが現状だ。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。