カナダ首相、経済利益の恫喝に毅然、中国の人権問題批判

2007/02/11
更新: 2007/02/11

【大紀元日本2月11日】中国外交部の幹部が先週、カナダ訪問中にメディアに対し、カナダ首相の北京に対する人権批判はカナダの貿易関係に不利をもたらすと警告した。カナダ・ハーバー首相は9日、中共の恫喝があっても引き続き中国の人権問題を取り上げていくとメディアに表明した。

2月8日、オタワ訪問中の中国外交部・何亜非(フー・ヤーフェイ)部長補佐が異例にカナダ主要メディアの取材に応じ、カナダ・ハーパー首相の北京当局に対する人権問題の批判は、両国間の貿易関係に不利をもたらすと公に警告した。

ハリファックス国際空港の開港式に出席中のハーバー首相は9日、何部長補佐の発言について、中国とカナダの貿易関係では、中国は巨大な貿易黒字を有するほうであり、カナダとの貿易関係はすべて「公正かつ公明」で有るべきであると述べた。

「中国は重要な国であり、将来カナダは中国でビジネスをより展開できるのだから、カナダ政府はわざわざ中国の警告に対して抗議しなくてもいいと考える人々が野党にいるが、このような考えは、私は無責任だと思う」とハーバー首相は毅然と語った

最近、カナダと中国の間に、中国とカナダの二重国籍を持つフセイン・セリル氏についての議論が話題を呼んでいる。セリル氏は、かつて中国で監禁されたウィグル人人権活動家。カナダのパースポートを使ってウズベキスタンへ旅行した際、中共当局に逮捕されたという。セリル氏は先週、中国新疆自治区のウルムチ首都で逮捕後の初出廷をしたが、カナダ領事館は新疆当局に出席の通達をされなかった。

ハーパー首相は、セリル氏が中国が主張したように、同氏にはテロに関与する明らかな証拠はないと信じているという。

「カナダ国民が不正に扱われ、権利が保護されるべき際、カナダ政府は、自国民のために公に発言、保護する義務がある」「我々は引き続き自国民を保護していく」とハーパー首相は表明した。

常に中国の人権問題を公に取り上げるハーパー首相は昨年ベトナムで開かれているAPECの期間中に、中国首脳との会談は中国側により急きょキャンセルされたが、その後中国側がまた会談の求めた。

昨年初めに首相に当選したカナダ保守党のハーパー首相は、一連の大胆な改革措置を行い、特に、外交上ではこれまでの与党の融和的な対中国政策を転換し、中国の人権問題を正面から非難する態度を取ってきた。「戦う首相」としてカナダ版タイム紙に2006年度の話題の人物として選ばれた。

ハーバー首相の強硬な対中外交政策について、昨年にカナダのナショナル・ポスト紙がカナダ代表企業を対象に行った調査では、69%の企業はハーパー首相の対中外交は適切なものであるとの結果を得た。企業の代表らはハーパー首相の人権問題提起の対中外交政策は、中国人民にも利する適切なやり方であるとし、カナダ・中国両国の貿易には影響がないとし、長期目標において、両国の貿易が促進されるのであろうとの見方が多く示された。