フィンランドの通信機器大手ノキア(Nokia)が、浙江省杭州にある研究開発センターを閉鎖する方針を確認した。約1600人が削減されるほか、北京、成都、青島、上海の拠点も閉鎖対象になりかねない。
電気通信業界メディア「Light Reading」は8月14日、関係者の話として、ノキアが杭州の研究開発センターを閉鎖し、約1600人が職を失うと報じた。同メディアが入手したスクリーンショットには、影響を受ける従業員同士のやり取りや、杭州の研究開発センター閉鎖について経営陣が送った社内メールも含まれていた。
サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、ノキアは2026年末までに中国本土の従業員を大幅に削減し、ほぼすべての現地拠点を閉鎖する計画だという。北京、成都、青島、上海の拠点も、事業再編計画の一環として閉鎖される見通しだ。
ノキアの広報担当者はLight Readingへのメールで、杭州拠点の閉鎖計画を認めた。
「前にも説明してきた通り、ノキアは中国での事業を、グローバルな運営体制に合わせるための措置を進めてきた」
さらに、「中国での事業はここ数年、継続的に縮小している。こうした状況に対応するため、中国での事業体制を見直している」と説明した。
エレクトロニクス業界の技術情報メディア「EE Times」は8月17日、8月7日、フィンランド本社への社内異動制度が全面的に停止され、その6日後の13日には経営陣が社内メールで正式に閉鎖計画を通知したと報じた。約1600人の人員削減は、2026年9月から12月にかけて3段階で実施される。
Light Readingによると、ノキアが中国事業を縮小する背景には地政学的な要因もある。2025年9月、ノキア幹部はフィンランドでの記者会見で、国家安全保障上の理由から中国市場から締め出されるとの通知を受けたと明らかにした。これが市場シェア低下の直接的な要因になったとしている。
ノキアの財務資料によると、大中華圏での年間売上高は2018年の約22億ユーロから、2025年には9億1300万ユーロまで減少した。スウェーデンの競合エリクソンも同様に売上高を落としている。
2025年末には、ノキアが国有企業系の中国華信から、合弁会社「上海ノキアベル」の完全な経営支配権を取得した。この完全子会社化について、業界では、合弁事業に伴う法的な制約を取り除き、その後の大規模な事業再編に向けた重要な布石とみられている。
データによると、香港と台湾を含むノキア大中華圏の平均従業員数は、2020年の1万3700人から2025年には7200人まで減少した。今回の杭州での人員削減が実施されれば、従業員数はさらに減少する。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。