米国が長年にわたりウクライナへ武器を供与し、中東でミサイル防衛作戦を続けてきたことに加え、イラン情勢の緊迫化を受け、米軍の兵器備蓄不足が課題となっている。米国防総省は27日、新たな7年間の生産契約を締結し、軍備再建に向けた取り組みを本格化させた。
米FOXニュースによると、これらの紛争の多くはジョー・バイデン前政権下で発生、または激化した。米政府監査院(GAO)はこれまでの報告書で、ウクライナ支援によって減少した兵器備蓄を補充するには数十億ドル規模の追加予算が必要だと指摘している。
調達・後方支援を担当するマイケル・ダフィー国防次官は27日、契約締結に際し、「『自由民主主義の兵器庫』を再建するには、重要弾薬の生産能力を迅速かつ着実に拡大しなければならない」と述べた。
契約に基づき、国防総省は米防衛関連企業L3ハリス・テクノロジーズとロッキード・マーティンと協力し、PAC-3 MSE(パトリオット3 MSE)および地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の迎撃ミサイル推進部品の生産能力を増強する。両システムは弾道ミサイルや巡航ミサイル、航空機による攻撃から防衛する主力装備と位置付けられている。
L3ハリス・テクノロジーズは、PAC-3関連契約により同社の生産能力がおよそ2倍に拡大するとの見通しを示した。
一方、中東情勢では外交的な動きもみられる。関係者によると、オマーン代表団はイランの首都テヘランを訪れ、ホルムズ海峡と周辺航路の再開に向けた協議を進めている。
米国防総省当局者も、外交交渉の環境を整えるため、米軍がイランへの空爆を一時停止していることを明らかにした。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルや複数のシンクタンクは、外交交渉が決裂し、トランプ大統領が軍事作戦の再開を決断した場合、米・イスラエル両軍はイランに残る核関連施設や再建が進む施設への攻撃を検討する可能性が高いと分析している。
対象としては、イラン中部ナタンズにある地下核施設「ピッケックス・マウンテン」、パルチン軍事複合施設内で再建が確認されている「タレガン2」、一部地上施設で復旧の動きがみられるフォルドゥおよびナタンズの核施設、核関連物資の移送が進められている可能性が指摘されるイスファハン原子力技術センターなどが挙げられている。
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