FBI 海外詐欺拠点摘発強化 170億ドル資産押収

2026/09/30
更新: 2026/09/30

FBIのパテル長官は、米国人を狙う海外の大規模な詐欺拠点に対し、世界規模で摘発を強化していると明らかにした。パテル氏はFoxニュース・デジタルに対し、FBIの「ブラックアウト作戦」で、詐欺に関連する約170億ドルの資産を押収したと述べた。

ブラックアウト作戦は、米国人を標的とする海外の詐欺拠点を特定し、犯罪ネットワークを摘発・壊滅させるFBI主導の取り組みである。海外での捜索や資産の差し押さえに加え、詐欺ネットワークの通信遮断、人身売買被害者の救出、盗まれた資金の被害者への返還などを進めている。

「祖母が一生かけて貯めたお金をだまし取られた」

Foxニュースが9月29日に報じたところによると、ある被害者はFBIに、「私は71歳。この年齢になると、新しい技術にあまり詳しくないため、狙われやすいことはよく分かっている。私たちのことを考えてくれて本当に感謝している」と語った。

別の被害者は、「祖母が一生かけて貯めたお金を詐欺師にだまし取られるのを目の当たりにした。犯人全員が法の裁きを受けるところを見たい」と話した。

パテル氏によると、今回の作戦は、東南アジアや中東で大規模な詐欺拠点を運営する犯罪組織を標的としている。こうした拠点では、人身売買の被害者が、遠く離れた米国などの人々を狙って詐欺を行うよう強要されている。犯行にはSNSや電話、ショートメッセージ、Telegramなどが使われている。

パテル氏は「残念ながら、主な標的は米国の高齢者だ」と語った。

「われわれの『ブラックアウト作戦』は、こうした犯罪ネットワークを阻止し、最終的に壊滅させることを目的としている」と述べた。

典型的な手口では、犯罪者がまず被害者とオンライン上で友人関係や恋愛関係を築き、その後、偽の暗号資産投資プラットフォームへ誘導する。

被害者には当初、投資で大きな利益が出ているように見せかけるが、最終的には資金を引き出せないことに気づく。

詐欺拠点は「町や都市」の規模 背後に中国系犯罪組織

パテル氏は、摘発対象となっている詐欺拠点は、「単なる拠点ではない。町や都市のような規模だ。多数の建物が集まる実在の施設で、犯罪者はそこで人々に違法な労働を強いている」と語った。

こうした詐欺拠点の背後には、中国系犯罪組織がいる。

これらの犯罪組織は2000年代、カジノやオンラインカジノで巨額の利益を上げていた。その後、中国共産党(中共)当局が規制を強化すると、カンボジア、ラオス、ミャンマーなど、規制の緩い東南アジアの国境地帯へ活動拠点を移し、腐敗した当局者や軍の一部勢力と結びついた。

中国生まれの陳志は、アジア最大級の国際オンライン詐欺組織の一つを運営したとして米国で起訴された。

陳志は公職者への贈賄記録を残しており、その中には、外国政府の高官に数百万ドル相当の高級腕時計を贈った記録も含まれていた。

米検察によると、この高官は2020年に陳志の旅券取得を手配し、陳志は2023年に米国を訪れることができた。

2025年末、米法執行機関は、陳志に関連する暗号資産ウォレットから150億ドル相当のビットコインを押収したと発表した。米国史上最大規模の同種の押収となった。

志の詐欺組織「プリンス・グループ」に関係するとされる180の個人・団体が、現在、米国の制裁対象となっている。

9月21日、米国務省はさらに32人に対するビザ制限を発表した。このうち大半がプリンス・グループと関係している。

FBIによると、8月にはカンボジアのオスマッチ・リゾートにある約200エーカーの詐欺拠点を対象に摘発を実施した。3日間の捜索で28棟を調べ、ハードディスク113台、コンピューター15台、証拠品35箱を押収した。

詐欺拠点がアフリカへ移転

Foxニュースによると、FBIは、資金が詐欺グループの手に渡る前に被害を食い止める取り組みも進めている。

2024年1月に始まった「レベルアップ作戦」は、FBIと米シークレットサービスが共同で進める国内向けの予防活動である。

FBIが暗号資産投資詐欺の被害に遭っている可能性がある人物を特定し、本人に直接警告する。

FBIによると、これまでに1万406人に連絡し、推定6億6千万ドルの被害を防いだ。また、さらに1億2200万ドル相当の暗号資産を押収または凍結した。

連絡を受けた人の77%は、自分が詐欺被害に遭っていることに気づいていなかった。

FBIは584の詐欺サイトを閉鎖したほか、詐欺に関係する7670のアカウントを民間企業に通報し、対応を求めた。

9月9日、米コロンビア特別区の連邦検事ジーニン・ピロ氏は、米司法省の詐欺センター打撃特別チームが、中国語のオンライン取引プラットフォーム「Xinbi Guarantee」に対する一連の摘発を実施したと発表。

Xinbi Guaranteeは、詐欺に関連するサービスを提供する大規模な違法オンライン市場。

当局は同プラットフォームを閉鎖し、1日の作戦で約5200万ドル相当の暗号資産を凍結した。米財務省も同時に制裁を科した。

同作戦では、FBIがアフリカのマダガスカル当局を支援し、中国系組織犯罪グループが運営していた13か所の詐欺拠点を摘発した。

さらに、3200台を超える電子機器を調査した。

パテル氏はFoxニュースに対し、こうした移転は、犯罪ネットワークが活動拠点を大規模に移している流れの一部だと説明した。

また、「こうした詐欺拠点が中央アフリカやサハラ以南のアフリカへ移っている。われわれはすでに現地に態勢を整え、一掃する準備を進めている」と述べた。

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