イランとの戦争で原油輸入が半減 中国の石油在庫が減少

2026/06/04
更新: 2026/06/04

イランとの戦争と、それに伴う石油・ガス市場の混乱により、中国の原油輸入量が大幅に落ち込んでいる。

石油価格情報サービス「オイルプライス・インテリジェンス」の報道によると、ロイター通信がKplerのデータを引用して報じたところでは、5月の中国の原油日量輸入量は636万バレルで、前月の810万バレルおよび開戦前の2月の1139万バレルを大きく下回った。

一方、輸入量の減少に対して需要は相応には落ち込んでいない。Kplerのデータによれば、先月の中国の製油所による原油日量処理量は1350万バレルで、4月の推定値から1日当たり15万4千バレル減少し、2025年5月の処理量からは1日当たり90万バレルも少ない水準となった。

記事は、米・イスラエル連合軍がイランを攻撃する1年以上前から、中国は原油価格の安定期やロシア・イランへの制裁によって割安になった石油を積極的に買い増し、原油輸入量は自国の消費量と輸出能力を大幅に上回っていたと指摘する。

中国共産党(中共)は石油在庫データを一切公表していないが、専門家が中国の輸入量と製油所の稼働率データをもとに試算したところ、昨年の中国の原油の日量在庫積み増し量は90万〜100万バレルの間で推移しており、現時点での備蓄原油の総量は約10億バレルに達するとみられる。中国の製油所は現在、この在庫を取り崩して供給不足を補い、コスト高による経営破綻を回避している。

中共による石油備蓄の拡充は長期的な計画の一環だ。ロイター通信が昨年10月に報じたところによると、中国は最大11か所の新たな石油貯蔵施設を建設中で、今年末までに1億6900万バレル分の貯蔵能力を新たに確保することを目標としている。当時のKplerとVortexaのデータによれば、新たに加わる貯蔵能力は原油輸入量の約2週間分に相当し、2020年から2024年にかけての石油貯蔵能力を1億8千万〜1億9千万バレル増加させるものだ。

イランとの戦争勃発後、世界の原油供給は継続的な不足に直面することになり、戦争の影響が本格的に顕在化するのは7月になるとの見方が専門家の間で広まっている。

記事は、中国の原油在庫がある程度油価を抑制していることは確かだが、それはあくまで一時的な上昇抑制効果に過ぎず、中国の備蓄が永続的に油価を維持できるわけではないと指摘する。今後の油価の動向については、なお注視が必要だとしている。

李平