23日の東京株式市場において、日経平均株価は大幅な続落となった。取引時間中の下げ幅は前営業日比で一時2600円を超過し、下落率は約5%に達する場面があった。心理的な節目である5万1000円を割り込み、2025年12月30日以来となる約4カ月ぶりの安値水準を記録している。
この急落の背景にある最大の要因は、中東情勢の緊迫化とそれに伴う原油供給の停滞長期化に対する懸念である。トランプ米大統領は21日、イランが48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければイランの発電所を攻撃する意向を示しており、有事の際の報復合戦が危惧されている。これを受け、日本時間23日の時間外取引でニューヨーク原油先物相場は一時100ドルを超える急騰を見せ、投資家心理の重荷となっている。
原油相場の高騰はインフレへの警戒感を高め、米連邦準備理事会(FRB)による早期追加利下げ観測を後退させている。前週末20日には米長期金利が2025年8月以来の高水準を付けたことで、株式の相対的な割高感が意識され、日米双方の市場で売りを促した。さらに、同日の米市場で主要な半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2.45%安と下落したことも、東京市場の売り圧力を強める要因となった。
個別銘柄の動向を見ると、アドバンテストや東京エレクトロンといった半導体関連株が大幅に下落した。また、ファーストリテイリングやソフトバンクグループ(SBG)などの値がさ株を中心にほぼ全面安の展開となり、東証株価指数(TOPIX)も大幅下落を余儀なくされている。その一方で、第一三共、テルモ、ソフトバンク(SB)などの一部銘柄には買いが入る逆行高の動きも見られた。
なお、19日に米国で開催された日米首脳会談において、高市首相はトランプ大統領に対し、ホルムズ海峡の安全確保に対する日本の貢献には法律上の制約があると説明した。これに対してトランプ大統領から強い不満は示されず、会談を無難に乗り切ったとの評価が多いものの、現時点において市場でこれを好感する買いは限定的なものにとどまっている。
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