トランプ訪中目前 専門家が三つの注目点を分析

2026/03/11
更新: 2026/03/11

米国のドナルド・トランプ大統領は3月末に中国を訪問する予定である。しかし複数の情報によれば、今回の訪中の日程は当初の構想と比べて縮小しており、「トランプ・習近平会談」が実質的な成果を得られるかどうかにも外部の関心が集まっている。専門家は、現在の国際情勢の下で、トランプ訪中には少なくとも三つの注目ポイントがあると分析している。

ホワイトハウスは先日、トランプ大統領が3月31日から4月2日まで中国を訪問すると発表した。現職の米国大統領が中国を訪問するのは2017年のトランプ大統領訪中以来初めてとなる。

最近、米国は中国共産党(中共)の同盟政権とされる複数の政権に対して軍時行動を取り、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束し、イラン最高指導者アリー・ハメネイ師を殺害した。こうした動きが「トランプ・習近平会談」に影響するかどうかにも注目が集まっている。

それでも中国共産党の王毅外相は8日「今年は米中関係にとって大きな年になる」と述べ、高官レベルの交流日程はすでに議題として提示されているとして、会談に前向きなシグナルを示した。

分析では、中東情勢の急激な変化が、今回のトランプ訪中の位置付けに変化をもたらす可能性があると指摘されている。

台湾国防安全研究院の研究員・沈明室氏は「現在の戦争がいつ終わるかはまだ分からない。もしトランプ大統領が訪中前に戦争を終わらせることに強い自信を持っているなら、戦勝の勢いを背景に中国を訪れ、多くの条件を受け入れるよう中国に迫ることができる」と述べた。

3月9日、ロイター通信はサミット準備状況を知る5人の関係者の話として、トランプ政権内部では準備作業に対する姿勢が消極的で、政府部門間にも立場の相違があるため、トランプ大統領と習近平の会談が両国のビジネスや投資関係を再構築する可能性は低いと伝えた。

さらに別の3人の関係者は、中国側が会談準備に不満を示しており、米国側の準備期間が短すぎると考えていると明らかにした。中国側は当初、この訪問を綿密に準備された国賓訪問にすることを望んでいたという。

米国の経済学者・李恒青氏は、今回の訪問について「トランプ側と中国側では期待が異なる」と述べ、トランプ大統領が具体的な問題で突破口を得るか、あるいは双方が意思疎通できる分野について協議を進めたいと考えているとの見方を示した。

その一方でトランプ訪中に対する期待は多くないものの、実際に議論すべき議題は少なくないと李恒青氏は分析している。

李恒青氏は、経済・貿易問題や中国商品のダンピング問題、中国による米国製品購入の問題、さらに2018年の米中貿易戦争後に締結された第一段階の貿易協定について、中国が最終的に3分の2未満しか履行していない点などを挙げ、トランプ大統領はこれらの問題について中国側に説明を求める可能性が高いと指摘した。

関係者によれば、米国の経済界は企業代表団が大統領の訪中に同行することを希望しているが、現時点ではそのような計画はないとみられる。一部の米国企業は、トランプ訪問がより多くのビジネス協力を促すことに期待を寄せている。

沈明室は、「今回のトランプ・習近平会談には企業の最高経営責任者(CEO)の代表は同行しない」と述べたうえで、トランプ大統領は米国企業が中国から撤退して米国国内に投資を戻すことを望んでおり、米国経済の発展はトランプ政権の政策とも関係しているため、英国やドイツのように中国での企業活動を継続的に必要としている状況とは異なるとの見方を示した。

香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは複数の関係者の話として、米国側の「先遣チーム」がすでに3月初めに北京に到着し、訪問準備は最終段階に入っていると報じた。

中国側は当初、トランプ大統領を北京訪問後に上海にも招く計画を立てており、最近英国やカナダの指導者を受け入れた際の日程と似た計画を想定していた。しかし関係者によれば、トランプ大統領の日程は非常に過密で、他都市を追加すると安全や警備や運営の面で課題が生じる可能性があるため、訪問は北京市のみに限定される見通しとなっている。

李恒青氏は、「北京に限定する方が安全確保の面で有利だ」と述べ、イラン関連のテロリストが中国に入り込みトランプ大統領に危害を加える可能性が懸念されていると指摘した。

最近、中国共産党の重要な戦略的協力相手とされてきたイランの最高指導者アリー・ハメネイ師が米軍によって殺害された。このような背景の下で行われるトランプ訪中は、中国共産党指導部の面子を潰すものになるとの見方もある。

李恒青氏は、今回の訪問には三つの大きな注目点があると分析した。第一は同行する主要官僚の構成である。

李恒青氏は「トランプ大統領が外遊する際には必ず同行する人物が数人いる。国務長官と国家安全保障担当補佐官であり、対話の際に国家安全保障戦略の指針を整理する役割を担うため補佐官の助けが必要になる」と述べた。

現在、米国務長官と国家安全保障担当補佐官はマルコ・ルビオ氏が兼任している。しかしルビオ氏は以前に中国共産党の制裁を受け、中国への入境を制限されている。そのため、ルビオ氏がトランプ訪中に同行できるかどうかが最大の注目点の一つとなっている。

李恒青氏は、今回の訪問では香港の民主活動家・黎智英氏の釈放やその他の政治犯の問題が議題になる可能性も重要な観察点だと述べ、さらに台湾問題を協議するかどうか、協議する場合には戦争か平和かという問題について何らかの立場が示される必要があるとの見方を示した。

近年、台湾海峡の緊張が高まる中、トランプ大統領は以前、習近平に対し、中国共産党が台湾に侵攻した場合には「北京を爆撃する」と警告したことがあると明かしている。