アメリカ政府が、世界の偽ブランド品や海賊版の流通拠点を名指しする「偽ブランド・海賊版の問題市場リスト」を公表した。リストには中国の通販サイトや市場が並び、改めて問題の大きさが浮き彫りになった。
アメリカ通商代表部(USTR)は3月3日、「偽ブランド・海賊版の問題市場リスト」を公表した。報告では、中国が依然として世界最大の偽ブランド商品の供給源と指摘されている。
アメリカ税関・国境警備局によると、2024年度に押収した知的財産権侵害商品(偽ブランド品など)の総額のうち、約93%が中国または香港から来たものだった。
今回の報告でも、淘宝(Taobao)、拼多多( Pinduoduo)、百度網盤など中国の主要サイトが再び掲載された。リストの「常連」となっている名前も少なくない。
「淘宝(タオバオ)」は、中国IT大手アリババが運営する中国最大級のネット通販サイトで、個人や業者が自由に商品を販売できる巨大なオンライン市場だ。
また「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」は格安商品を売りに急成長した通販サイトで、低価格商品が大量に並ぶことで知られる。
さらに「敦煌網(DHgate)」は、中国の業者と海外の小売業者を結ぶ電子商取引サイトだ。安価で少量注文が可能なため個人利用も増え、偽ブランド品の流通が指摘されている。
このほか、オンライン保存サービス「百度網盤」もリスト入りした。中国検索大手・百度が提供するクラウドサービスで、映画や音楽などの違法コピーの共有が問題視されている。
実店舗の市場もリストに入った。広州の皮革製品の卸売市場や深圳の電子部品市場、瀋陽の衣料品などを扱う大型卸売市場など、中国各地の市場が挙げられ、ブランド品の模倣品やコピー商品が大量に流通していると指摘した。
報告書は、中国経済の減速とともに偽ブランドの取引がさらに広がっている可能性にも触れている。店舗は見本を見せる場所として使われ、実際の販売はインターネットで行うという形も増えているという。
アメリカ政府は、偽ブランド品や海賊版は企業の知的財産を侵害するだけでなく、粗悪品による事故や健康被害、違法サイトを通じたウイルス感染など、消費者にも危険をもたらす可能性があると警告している。
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