万物には霊性が宿っている――。
そう思わずにはいられない映像が、中国で広がった。
お湯を沸かし、さばく準備をしていたそのときのことである。
庭に立つ一羽のガチョウが、うつむいたまま目から大粒の水滴をこぼした。
それは、まるで涙のように見えたという。
2月12日、中国・安徽省の農家で撮影された動画は、瞬く間に拡散した。
「お願い、やめて」「命を奪わないで」――
コメント欄は、そんな声で埋め尽くされた。
ガチョウは暴れなかった。ただ静かに立っていた。
その姿に、多くの人々が心を動かされた。
翌日、飼い主は語った。
「もう食べられない。人に譲りました。これからは食べません」と。
本当に涙だったのかは定かでない。
しかし、その一粒の水滴が包丁を止めたのは確かな事実である。
食べるために育てられた家畜であっても、涙を見た瞬間、ただの食材とは思えなくなる。
それでも、人は包丁を振り下ろせるのだろうか。
食べるという行為の重さを突きつけられた瞬間であった。
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