欧州で中共スパイ摘発の波 専門家「国際社会が中共の本性を見抜き始めている」

2026/02/09
更新: 2026/02/09

最近、欧州の複数の国が相次いで中共スパイを摘発したと発表し、軍事情報の漏洩などの容疑で訴追している。事件に関与した人物の中には、それぞれの国の軍人のほか、中国人も含まれている。専門家は、こうした暴かれた事例は「氷山の一角」に過ぎず、国際社会は中共の本性を次第に見抜き、反撃に出始めていると指摘している。

2月5日、ギリシャ国防総参謀本部は空軍大佐を逮捕し、NATOに関する機密情報を「第三者」に漏洩したとして起訴した。この指揮官は、中共のためにスパイ活動を行っていたと認めている。

昨年7月には、4人の中国人がギリシャのタナグラ空軍基地近くで、戦闘機「ラファール」などが配備されている軍事施設を撮影したとして拘束されている。

元北京弁護士の頼建平氏は「中共は、かつて国民党や政界に工作員を潜入させる常套手段で政権を奪取した。現在も政権維持のため、全世界を対象に同様の浸透工作を進めている。最近、各国政府が法に基づいてこれらのスパイを処罰・逮捕しているのは、西側諸国が中共の本性を徐々に見抜いてきたことの表れである」とし、「現実的で切迫した危険と脅威を感じている」と述べた。

欧州の他の国々でも、中共スパイの事件に関する捜査が続いている。パリ検察官事務所は4日、中共政権のためにスパイ活動を行った疑いで4人を逮捕したと発表した。この事件は衛星通信網「スターリンク」のデータに関わるもので、そのうち2人は中国人であった。

パリ検察官事務所は声明で、フランスの法執行機関が、2人の中国人がフランスに入国した後、「スターリンク」の衛星データ、特に軍事機関に関する情報を入手して中国へ送る目的で活動していたことを突き止めたと明らかにした。

台湾国防安全研究院国家安全研究所の沈明室研究員は「西側諸国はすでに目を覚まし、欧州も中国の脅威に対して、より強硬的な姿勢を取り始めた。現在、各国の情報収集の重点は、スターリンク関連のデータ、宇宙、AIなどに関する情報へと移行している。その背景には、ロシアによるウクライナ侵攻の影響がある。ウクライナ戦争では、ロシア側がスターリンクのデータを活用して作戦支援を試みていることが明らかになり、中国当局も将来の戦争において各種データ伝送が極めて重要になると見込んでおり、情報戦や情報窃取の重点にもなっている」

2024年以降、欧州では中国によるとみられる情報活動の摘発が相次いでいる。ギリシャ、フランス、チェコ、ドイツ、英国、スウェーデン、ノルウェー、ベルギー、オランダなど複数の国が、類似の案件を相次いで公表した。中共の情報収集ルートは、従来のプロのスパイだけでなく、現地の人々を買収して代理人として活動させる手法へと拡大している。

頼建平氏は「現在、こうした情報活動が一層巧妙化し、活動の担い手が秘匿されており、現地の学術関係者やビジネス関係者、技術者などが関与するケースもあるため、周囲の警戒や疑念を招きにくいのである。彼らが機密技術を盗み、それを中共に提供することは、従来の手段よりもはるかに大きな危害をもたらしている」と指摘した。

専門家たちは、海外に住む中国人に対し、中共との距離を保ち、知らぬ間に罠にはまって最終的に犠牲者とならないよう注意を呼びかけている。

沈明室氏は「海外の華人や研究者、専門家は、中国に取り込まれないよう注意する必要がある。中共は、研究プロジェクトや資金援助、『千人計画』などを名目に、海外の華人や専門家を誘惑し、情報収集の協力者に仕立て上げようとしている。一度協力を始めてしまうと、その後も継続的な関与を求められることになる。そのため、こうした専門家や海外在住の中国人は、慎重に行動し、罠に陥らないようにすることが極めて重要である。ひとたび入り込めば、もう抜け出せなくなる」と述べた。