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議員定数削減「来年通常国会で実現」高市総裁・吉村代表が党首会談

2025/12/17
更新: 2025/12/17

令和7年12月16日、自民党・高市早苗総裁と日本維新の会の吉村洋文代表は党首会談後、共同記者会見を実施した。会談には藤田共同代表や幹部も同席し、議員定数削減の確実な実現と、連立合意に基づく重要政策の推進について合意を形成した。

補正予算成立と定数削減の審議未了

今回の会談に先立ち、自民・維新の両党は、国民民主党および公明党の賛同も得て補正予算を可決・成立させたことが、高市総裁の冒頭発言で報告された。

一方で、連立合意の重要事項であった衆議院の議員定数削減法案は、12月5日に提出されたにもかかわらず、審議されないまま会期末を迎えたことが、共同会見の大きな背景となった。吉村代表は、審議すらされずに国会が終わってしまうことを「非常に残念」だと表明した。高市総裁も、法律案が「吊るしを下ろしていただいていない」状態であることに言及しつつも、自民党内で党内手続きを経て提出できたことは「大きな一歩」だと評価した。吉村代表は、定数削減は政治における「一丁目一番地」であり、「決められない、決まらないということは違う」との強い認識を示した。

主要な合意事項

会談では、今後の国会運営と政策推進に関わる複数の重要事項について合意に至っている。

1.議員定数削減の確実な実現

両党は、衆議院選挙制度に関する協議会の下で、国勢調査の結果を踏まえつつ、自民・維新が協力して確実に成案を得ることを目指すことで合意した。また、来年の通常国会において議員定数削減法案を可決させるべく、再度、意識合わせと実現への目標を確認した。

2.連立合意政策の推進

連立合意に従い、来年に向けて国家情報局の創設や日本版CFIUS(外国からの直接投資が、日本の国家安全保障に与える影響を審査する機関)の創設など、両党で重要政策を前に進めていくことでも合意した。

3.税制に関する前進

税制についても意見交換が行われ、複数の事項で前向きな合意が得られた。

高校生の扶養控除について、縮小ではなく維持することを強く申し入れ、その方向で進めることになった。 ひとり親家庭(シングルマザー、シングルファーザー)の控除については、控除を引き上げることを申し入れ、前向きに進めることになった。 租税特別措置法に関して、企業の個別企業名が公表できるようにすることを明確にする。 交際費の課税の拡大についても申し入れが行われ、前向きに進めることになった。

通常国会での実現が焦点

最大の焦点である議員定数削減法案について、両党は来年の通常国会での実現に向けた強い決意を示した。吉村代表は「来年の通常国会で何とか議員定数削減はやり遂げたい」と強調し、通常国会には「しっかり時間がある」ため、審議を経て実現させたいとの見通しを述べた。

また、高市総裁と吉村代表は、連立合意で進める重要法案を、来年の通常国会で力を合わせて進め、日本の政治を前に進めていくことで意識合わせをした。

今回の会談は、年内の審議未了という事態を受け、連立政権の重要課題を来年必ず実現させるという、両党の強いコミットメントを示すものとなった。特に、維新側が重要視する定数削減と税制改革について、自民党側が実現に向けた明確な合意を示したことで、連立の連携強化が図られたといえる。

通常国会では、定数削減の審議がどこまで進むのか、そして国家情報局創設などの重要法案がスムーズに可決されるかどうかが、連立運営の試金石となるだろう。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。